総会宣言 (2008)

総会宣言

 2000年9月29日、8年前の今日、石川県平和運動センターは石川県評以来半世紀に及ぶ反戦平和運動の歴史を引き継ぎ、21世紀を「平和の世紀」とする決意を全構成組織で確認しあい、新たな一歩を踏み出しました。

ところが翌年1月にブッシュ政権、5月に小泉政権が相次いで発足。そして9.11同時多発テロ発生。石川県平和運動センター8年間のあゆみは、戦争と差別、貧困を地球規模に拡大したブッシュ・ネオコン路線と、それに追随してきた小泉-安倍-福田政権との対決であったと言っても過言ではありません。
そしていま、ブッシュ政権が押し進めてきた新自由主義路線は、戦後最大の金融危機とグローバル同時不況という結末を迎えました。「テロとのたたかい」を掲げ、核の先制攻撃も辞さないという軍事戦略への転換は、イラク・アフガン戦争の泥沼化や核拡散の危機をもたらしました。ブッシュ大統領は米国民から「史上最悪の大統領」というレッテルを貼られ、ホワイトハウスを去ろうとしています。

 米国大統領選挙と国内の総選挙を間近に控え、2ヵ月後の日本の政治や日米関係を言い当てることは誰にもできません。この大きな歴史の節目にあたって、私たちは時代の傍観者でいることは許されません。8年間のたたかいを踏まえた、まさに新しい時代をつくりあげる主体的役割が求められています。
 私たちはこの1年間、全国の仲間と連帯し、改憲や米軍再編の阻止、改悪教育基本法の実効化阻止、歴史認識の歪曲反対、核廃絶と原子力政策の転換などを訴え、全力でたたかいを展開してきました。県内の最重要課題である小松基地の日米合同演習阻止や志賀原発の再稼働阻止のたたかいは、全国の反戦・平和、脱原発の大きなうねりの中に位置づけられる取り組みでした。
 これらの課題は向こう1年間でさらに重要な局面を迎えます。麻生首相は新テロ特措法の延長を目指し、集団自衛権の憲法解釈変更まで明言しています。原子力空母ジョージ・ワシントンの横須賀母港化は米軍再編、日米の軍事的一体化をさらに押し進め、米軍の前線基地としての日本の機能を飛躍的に高めました。原子力政策の根幹を左右する六ヶ所村再処理工場や「もんじゅ」をめぐるたたかいは正念場です。志賀1号機の再稼動はプルサーマルへの道を開くものであり、なんとしても阻止しなければなりません。さらに「日教組をぶっ壊す」発言はまさに麻生内閣の本音であり、民主教育への攻撃、労働組合への攻撃に対し、全力で対抗していかなければなりません。

 運動課題が山積する中、直近の最重要課題は言うまでもなく政権交代の実現です。改憲による軍事大国化路線、そして格差と貧困を拡大した新自由主義路線と全面的に対決してきた労働運動がこの歴史的たたかいの中心を担うのは当然であり、平和運動センターとしても、本日の総会で確認された方針を踏まえ、反戦・平和、護憲、脱原発の運動課題のさらなる強化を通じて、その役割の一端を担っていかなければなりません。

 今秋11月22日、23日には、第9回非核平和条例を考える全国集会を石川で開催します。おそらくは総選挙後初めて、そして米国新大統領誕生後初めて、全国各地の平和運動を担う仲間が集い、新しい政治情勢の下での平和運動のあり方や方向性を論議する重要な集会となります。全力で集会の成功を期すと同時に、平和運動のさらなる強化、発展へ奮闘することを誓い、総会宣言とします。

2008年9月29日

石川県平和運動センター第9回定期総会