2007年6月8日
防衛省
防衛大臣 久 間 章 生 様
陸上自衛隊金沢駐屯地
駐屯地司令 正 木 幸 夫 様
石川県平和運動センター
代 表 嶋 垣 利 春
抗 議 文
陸上自衛隊の情報保全隊が、自衛隊のイラク派兵に反対する全国の市民団体や野党議員などの動向に関する情報を組織的に、そして広範囲かつ継続的に収集し分析していたことが明らかになりました。
公表された文書を一覧すると、その記述は詳細で、たとえば集会では主催団体の政治的な分類や参加人数、集会内容や主な発言、配布されたチラシの内容、集会後のデモコースなどが記載され、その傾向の分析や対策などまで整理されています。石川県平和運動センターも調査・監視対象の団体とされ、2004年2月20日に中央公園でおこなった集会の様子が記載されています。
明らかに表現の自由、集会・結社の自由、プライバシーの侵害であり、自衛隊法にも違反した行動です。政府の方針に異議申し立てをする組織や個人が、武力組織の監視対象になる時代に私たちは突入しました。戦前、軍隊内の警察である憲兵隊が、国民を監視し、自由を抑圧する組織に変わっていった歴史を思いおこさせます。今回発覚した動きは、まさに戦時体制に向かう軍隊の暴走です。
昨年暮れには防衛庁が防衛省に昇格しました。さらに一昨年公表された自民党の新憲法草案は自衛隊を「自衛軍」へと改編しようとしています。奇しくも現在開会中の通常国会では憲法改悪のための国民投票法が多くの平和団体が反対する中で可決されました。今回の行為は、「戦争のできる国づくり」へと向かう憲法改悪の動きと連動し、その先取りであると見なさざるをえません。
24万人の武力組織による国民監視。これは平和と民主主義に対する重大な挑戦であり、国民主権をも否定する、許し難い違憲・違法行為です。石川県平和運動センターは断固抗議し、このような圧力に屈せず今後とも私たちの運動課題である反戦・平和、環境、民主主義を守る運動に全力を尽くすことを表明し、以下2点を申し入れます。
記
1.石川県平和運動センターを調査・監視対象団体とした経緯も含め、情報保全隊の活動の全容について明らかにすること。
2.責任者に対する厳重な処罰をおこない、違憲・違法な国民監視活動をただちに中止すること。