「イスラム国の人質となった2人の解放を求める緊急アピール」 (全文掲載)
シリア・イラクなど中東地域を中心に活動する武装組織「イスラム国」が、20日、日本人2人の殺害を警告する映像をインターネット上に公開しました。このなかで、安倍首相が「イスラム国」対策として2億ドルの拠出を表明したことを理由に、72時間以内に2億ドル(約236億円)の身代金を支払うことを要求しています。
安倍首相は記者会見で「テロに屈しない」としていますが、中東のいまの状況を作り出した大きな要因は、アメリカをはじめとした諸外国の軍事的介入にあって、そのことを問うことなく「対テロ」戦争に一方の立場から加担することは、よりいっそう中東地域の民衆を戦火へ叩き込むことにつながるものであり、いかに「積極的平和主義」などと主張しても、憲法の平和主義のもとでの外交努力や国際協力とは、まるで異なるものであるのは、論を俟ちません。
この間、反戦運動にとりくんできた諸団体とともに、2人の解放を求める緊急のアピールを発表しましたので、ここにお知らせいたします。
(日本語版は http://www.anti-war.info/information/1501211/ 、英語版は http://www.anti-war.info/information/1501212/ に掲載しております)
イスラム国の人質となった2人の解放を求める緊急アピール
2015年1月21日
私たちは、米英によるイラク攻撃に反対し、それを支持して攻撃に加担した日本政府に抗議する広範な運動を行ってきた者(people)として、また、現在の安倍政権による『海外で戦争する国づくり』とそのための日米の軍事協力を強める政策に強い反対運動を進めている者(people)として、世界で実現されるべき正義と人道の名において、今回の日本人2人のシリア入国の経緯と立場の評価は留保したうえで、2人の日本人の生命を奪うことなく、無事に解放するよう求めます。そして、日本政府が2人の生命を救うために、最大限の交渉の努力を行うことを要請します。
私たちは一貫して、「集団的自衛権」の行使容認をはじめとした日本を戦争へと引き込む一切の政策に反対するとともに、米国の戦争にグローバルな規模で加担するという危険で、誤った道を進むのではなく、平和憲法の下でこそできる日本の国際協力のあり方を求めて、とりくんできました。私たちがとりくむなかで、航空自衛隊による中東地域での米軍への協力は、日本の憲法に違反するとの判決も出されています。
2人の日本人を拘束した人びとは、日本の民衆のこうした願いと努力を理解し、かけがえのない生命を奪って失望させないよう賢明に対処することを切望します。
憲法を生かす会( hico@ma.kitanet.ne.jp 電話090-2761-1907 )
戦争をさせない1000人委員会( info@anti-war.info 電話03-3526-2920 )
フォーラム平和・人権・環境( peace-forum@jca.apc.org 電話03-5289-8222 )
平和を実現するキリスト者ネット( cpnet@mica.dti.ne.jp 電話03-3813-2885 )
許すな!憲法改悪・市民連絡会( kenpou@annie.ne.jp 電話03-3221-4668 )