「審査ガイド」パブコメ無用発言に抗議する

原子力規制委員会委員長 更田豊志 様3月3日の原子力規制委員会において更田委員長は、審査ガイドに関するパブコ
メは必要ないと発言した。そればかりか、審査ガイドは参考に過ぎず、審査官ば
かりでなく、申請者もそれに縛られるべきではない、ガイドの規範化が福島事故
を招いたのだと暴論を吐いた。地震動審査ガイド、火山ガイド等、あらゆるガイ
ドの改定においてパブコメを廃止しようとするものだ。これは福島事故の教訓を
踏みにじり、司法や国民の監視・チェックを拒否して原子力村独自の壁を築こう
とするものである。このような姿勢に強く抗議する。この発言は、議題4「規制基準等の記載の具体化・表現の改善について」の中で
出されている。そこでは、今回は見送りになったものの、昨年12月4日大阪地
裁判決が依拠した地震動審査ガイドの「ばらつき条項」の表現を「誤解を招くた
め」変える事項も含まれている。司法の批判にまともに応えるのではなく、ガイ
ドの表現を変えることによって批判から逃れようとする意図が見えている。この判決に関連して更田委員長は昨年12月9日記者会見で、審査ガイドは「サー
ビス」的なものとの趣旨を述べた。しかし、地震動審査ガイドの目的は、審査官
等が基準に関する規則並びに規則の解釈の「趣旨を十分踏まえ、基準地震動の妥
当性を厳格に確認するために活用すること」と明確に規定されている。基準規則
(地震による損傷防止は4条)の記載は抽象的なので、審査ガイドによって具体
的内容が示されないと審査は成り立たない。
この地震動審査ガイドは、福島事故を受けて13回にわたる検討小委員会での審議
を経て策定され、パブコメを経て確定されたものである。このガイドに審査官が
縛られるべきでないというだけでなく、規制される側の申請者も縛られるべきで
ないとは、これでは規制が成り立たないのは明らかである。

3月3日の委員会では、更田発言に田中委員と山中委員が追随し、他の委員は沈
黙したままであった。福島事故から10年目を迎えたこの時点で、事故の教訓が踏
みにじられようとしていることにわれわれは強く抗議する。

要 請 事 項
1.審査ガイドのパブコメ無用論は撤回し、これまで通りにパブコメを実施する
こと。
2.地震動審査ガイドの「ばらつき条項」の改定方針を撤回すること。

よびかけ おおい原発止めよう裁判の会/原子力規制を監視する市民の会/原
力資料情報室

…※「志賀原発を廃炉に!」訴訟原告団が団体署名しましたので掲載しました。
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