2014.11 沖縄知事選
プロでない私が言うんだから、あてになるのかならないのかは分かりませんけど、政治の役割はふたつあります。ひとつは、国民を飢えさせないこと、安全な食べ物(放射能汚染はだめだ!)を食べさせること。もう一つは、これが最も大事です。絶対に戦争をしないこと!
私が小学校の頃、戦国(軍国)少年でした。小学校、なんでゲートルを巻いて、戦闘帽を被って、竹槍持たされたのか、今振り返ると、本当に笑止千万です。もう二度と、ああいう経験は子どもたちに、子どもたちだけじゃない、大学生も雨のなかを、大勢の将来大事な大学生が戦地へ運ばれて、半数が帰ってこなかった。
沖縄の風土も、本土の風土も、海も山も空気も風も、すべて国家のものではありません。 そこに住んでいる人たちのものです。 辺野古もしかり!
勝手に他国へ売り飛ばさないでくれ。
まあそうは言っても、アメリカにも、良心厚い人々はいます。中国にもいる。韓国にもいる。 その良心ある人々は、国が違え、同じ人間だ。 みな、手を結び合おうよ。
※万国の労働者、団結せよ!
◆銀幕で存在感 心に空隙 [評]内田誠(ジャーナリスト)
『仁義なき戦い』や『トラック野郎』で人気を博した映画俳優・菅原文太の生涯を描く優れた評伝として、映画ファンのみならず、大方の関心を集めてよい作品だ。
東映が「任侠(にんきょう)路線」から「実録路線」へ転換する画期となった『仁義なき戦い』。スクリーン上、果てしない抗争の中心で存在感を発揮し続けたのが菅原文太演じる「広能昌三(ひろのしょうぞう)」だった。その文太が折々に語った言葉や、俳優仲間、映画監督、プロデューサー、脚本家、付き人、家族らの証言を材料に、著者は菅原文太という人の、心の在りかを探ろうとしている。
膨大な事実とエピソードから浮かび上がってくる文太の人生に、スターの華やかさはない。著者は「菅原文太の思考の根底にある人への不信感」の背景に、幼い時の両親の離婚があったと見ている。
後に家庭を持った文太は「母」を失った心の空隙(くうげき)を埋めようとするかのように長男を溺愛し、俳優として成功させようと心血を注ぐ。しかし、その息子は三十一歳の若さで事故死してしまう。実母の出奔に始まり、愛息の死へと続く悲劇。やがて俳優を引退、有機農業に取り組むようになり、さらに政治に傾斜していく最晩年の総決算が、二〇一四年、沖縄県知事選での反戦演説だった。
名護市辺野古の米軍基地建設への賛否が争点の沖縄県知事選。建設反対派の翁長雄志氏の総決起集会に集まった一万五千人の前で、文太は、国家の役割は国民を飢えさせないことと絶対に戦争をしないことだと訴え、『仁義なき戦い』のラストで裏切り者の山守に突きつけた名台詞(せりふ)、「弾はまだ一発残っとるがよ」を相手候補にぶつけてやりたいと語り、万雷の拍手を浴びた。いわば「仁義」の側に立ち続ける覚悟を世に示しつつ、演説のおよそ一カ月後、八十一年の生涯を閉じた。
タイトルは『仁義なき戦い 菅原文太伝』となっているが、菅原文太の一生が「なりふり構わぬ仁義なき戦いだった」と言いたいわけではないだろう。著者は、タイトル付けに少し悩まれただろうか。