志賀原発を廃炉に!訴訟第26回口頭弁論。
前回弁論で加島裁判長は「次回は結審の見通しも含め今後の訴訟の方針を示す」と述べており、その発言が注目された。
午後2時開廷。
加島裁判長はこれまでの経緯を確認しながら、
①被告(北陸電力)が、規制委員会での審査を踏まえ、専門的見地からのさらなるデータ拡充をしたいという要請に不合理な点はない。
②原告が主張するような、被告がことさら審理を引き延ばしているとは認められない。
③司法の判断と規制委員会の判断は原告が主張する通り別個のものだが、活断層評価という重要な点は重なり合う。
以上から、活断層評価という高度で専門的な知見を要するものであり、規制委員会の判断を待つ。
私のメモをもとにしたもので正確性にはやや欠けるが、概ねこのような見解を述べ、規制委員会の結論が出るまでは結審を先延ばしする方針を示した。
規制委員会が敷地内断層は活断層だとの評価を確定すれば、もはや裁判で争う必要はない。
逆に規制委員会が活断層の可能性を否定した場合、その結論に対して反論し始めるとして、地裁、高裁、最高裁とおそらく10年以上の年月を要する。
その間に志賀原発は再稼働し、事故の危険にさらされることになる。
いったい何のための司法か。
なんのための民事訴訟か。
そこには行政に追随する哀れな司法の姿しか見えない。
司法の責任放棄である。
私たちは裁判長を含めた3人の裁判官の忌避を申し立てた。
※忌避:あなた(たち)の下では公正な裁判は望めないから、交替せよという申し立て
報告集会で、忌避を申し立てた岩淵弁護団長が理由を述べる。
司法の責任放棄であると同時に、前の裁判体から180度の方針転換だと厳しく指摘する。
昨年3月までの裁判長は、規制委員会の判断を待つようなことはしないと断言していたのだ。
これではいつまで待てばいいのかすらわからない。
迅速な裁判を受ける権利の侵害でもある。
今後、忌避の申し立てについては、金沢地裁の別の裁判体が審査することになるが、受け入れられることは稀でもある。
報告集会では忌避後の展開について質問が相次ぐ。
報告集会では具体的な対応については踏み込まなかったが、様々な選択肢がある。
5月26日の原告団総会前には、方針を固めなければならない。
誤解ないよう付け加えておくが、今日の裁判長の方針提示は、事実上、判決を書く気がないという裁判長の意思表示であって、こちらが敗訴するという話ではない。訴訟自体は私たちが取下げしない限り、まだまだ続くということだ。
一方、北電にとっても、敗訴が濃厚な早期の結審を避けることができたとはいえ、規制委員会の審査自体は先日も報告した通りまったく前進していない。宿題が終わってないのに、そこにさらに宿題が課せられている状態だ。北電にとって、再稼働を巡る情勢が好転したわけではない。
このような状況を踏まえ、私たちとしても今後の方針を議論することになる。