領海に北ミサイルなら「武力攻撃切迫事態」検討(17.4.18)
北情勢緊迫も…戦争を煽る安倍首相と大政翼賛報道の恐怖
2017年4月16日日刊ゲンダイ
果たして6度目の核実験を強行するのか。北朝鮮情勢が緊迫する中、「戦争屋」の本性がムキ出しになってきたのが安倍首相だ。
ここ最近は北朝鮮の脅威を煽る発言が目立ち、13日の参院外交防衛委で、北朝鮮が「サリンを(ミサイルの)弾頭につけて着弾させる能力をすでに保有している可能性がある」と踏み込んだのに続き、14日も陸自の西部方面総監部の訓示で「北朝鮮の核・ミサイル開発は深刻さを増し、テロの脅威が世界に拡散している」と気炎を上げていた。
「北朝鮮の行動を改めさせる必要がある。圧力をかけていかなければ、彼らは対応を変えていかない」
「今のまま国際社会に挑戦を続けていけば、未来がないと北朝鮮に理解させないといけない」
安倍首相の北朝鮮に対する発言はどんどん前のめりになっていて、トランプそっくり。今すぐにでも自衛隊に出撃命令を出してもおかしくない。朝鮮半島近海に空母「カール・ビンソン」などを派遣した米軍の後ろ盾を得て強気になっているのだろうが、本来はイケイケドンドンのトランプに自制を促すのがスジだ。それが先頭に立って北朝鮮を刺激しまくっているから許し難い。「戦争放棄」を掲げる日本の総理大臣としてあり得ない姿だ。
安倍首相は昨年12月にオバマ前大統領と一緒にハワイ・真珠湾を訪れた際、「二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない」と誓っていたが、やっぱり大ウソだったワケだ。
■新聞・テレビも大政翼賛会に
一方、そんな安倍首相の姿勢を少しも批判せず、挑発発言をタレ流している新聞・テレビも同罪だ。アフガン戦争やイラク戦争で証明されている通り、米国が軍事介入するほど事態はドロ沼化する。しかも、安倍政権が集団的自衛権の行使を認めたため、北とコトが起きれば自衛隊はいや応なく米軍と一緒に戦場に駆り出されるのだ。戦後70年間余り守り続けてきた「平和国家」を捨て去り、いよいよ殺し殺される「戦争国家」になるのだ。新聞・テレビは今こそ、「社会の木鐸」としての役割を果たすべきなのに、戦前と同じで「大政翼賛会」と化しているから、ムチャクチャだ。
「首相が率先して戦争を煽っているのだから、こんなバカな話はありません。中国の王毅外相は『武力では問題を解決できない』と呼び掛けていますが、本来は日本が果たすべき役割です。大体、本当に有事になったら(日本も)終わりですよ。自制を促さないメディアもどうかしています」(元外交官の天木直人氏)
このままだと、安倍首相が「1億総玉砕」「本土決戦に備えよ」なんて言い出しかねない。