「ドル高かドル安か…」=悩むトランプ米大統領-補佐官に未明の電話
【ワシントン時事】米インターネット新聞ハフィントン・ポストは7日、トランプ大統領が「ドル高とドル安のいずれが米経済に良いのか」で悩み、フリン大統領補佐官(国家安全保障担当)に午前3時に電話したと報じた。トランプ氏は日本や中国の「通貨安誘導」を批判しているが、報道が事実であれば、自身のドル安志向に迷いが生じた可能性もある。
元国防情報局長官のフリン氏はトランプ氏の側近。未明の電話に対し、経済は専門ではなく、エコノミストに尋ねるべきだと返答した。これに対し、トランプ氏は不満げな様子だったとされる。ハフィントン・ポストは関係者2人からの情報として伝え、やりとりがあった具体的な日は明確にしていない。
トランプ氏は1月末、「通貨安誘導に依存している」として日本などを批判。「通貨供給量」という言葉も用いたため、日銀の金融緩和策に矛先を向けたとの見方が出た。日本政府は10日の日米首脳会談で「円安誘導をしていない」と訴える予定だが、トランプ氏の理解を得られるかは不透明だ。
「未明の電話」報道を受け、有力紙ワシントン・ポスト(電子版)は8日、トランプ氏の問いに対する「模範解答」を掲載した。トランプ氏が掲げた減税策や関税引き上げはドル高を招くと説明。他国の通貨安に対する批判は「効果が長続きしない」と指摘し、ドル安の実現には「資本流入規制が一案となるが、市場の大混乱を招く」と警告した。 (2017/02/09-15:27)