何度悲劇を起こせばいいのか!米軍基地の全てを撤去せずに解決しない!

2016年5月20日

沖縄での相次ぐ米軍関係者の凶悪事件に対する抗議声明

フォーラム平和・人権・環境

(平和フォーラム)

代表 藤本 泰成

 またも、沖縄県内で米軍関係者による凶悪事件が発生し、女性の尊い命が奪われた。4月28日から沖縄県うるま市の女性が行方不明になっていた事件で、5月19日恩納村の雑木林で遺体が発見され、沖縄県警は、元海兵隊員で嘉手納基地軍属の男性を死体遺棄容疑で逮捕した。どうか無事でいてほしいという家族、友人の切ない思いは、かなうことはなかった。成人式を迎えたばかりの若い命の無念を思うと、言葉が見つからない。

 2か月前にも那覇市内のホテルで、米兵による女性暴行事件が発生したばかりだ。沖縄県内での米兵や米軍関係者による凶悪犯罪は、1972年の日本復帰以降2015年末までに、574件も発生している。米軍関係者による凶悪犯罪が、平均して毎年13件以上も一つの県で発生していることは異常と言わざるを得ない。日本国内における在日米軍専用施設面積のうち、沖縄県が占める割合は現在74.46%となっている。米軍基地の集中が凶悪犯罪を引き起こしていることは明らかだ。幾度となく繰り返される米兵や米軍関係者の凶悪犯罪に、平和フォーラムは満身に怒りをもって抗議する。

事件の全貌が明らかになり、衝撃と悲しみ、そしてこみ上げる怒りに、沖縄県民のほとんどが打ち震えるなか、日本政府の抗議に対して、在日米軍司令官ドーラン中将は「(容疑者は)現役の軍人ではなく、米軍に雇用されている人物でもない」などと述べ、責任を回避する発言をしている。ことさら、軍人ではなく一般の事件であるかのごとく「火消し」に走る米軍当局の姿勢は許されない。

日本政府は、事件が起こるたびに「綱紀の粛正と再発防止の徹底」を米軍当局に求めてきた。しかし、米軍は一時的な夜間外出禁止などのその場限りの対応に終始し、結局犯罪は繰り返えされ、その度に犠牲者を生むこととなっている。米軍基地がなくならない限り、犠牲者が再びでないと言い切ることは決してできない。

1995年の少女暴行事件で、米軍基地に対する沖縄県民の怒りは頂点に達し、宜野湾海浜公園に8万5千人を集め「沖縄10.21県民総決起大会」(1995.10.21)が開催された。「基地が沖縄に来てから、ずっと加害はくり変えされてきました。基地がある故の苦悩から、私たちを解放してほしい」「今の沖縄はだれのものでもなく、沖縄の人々のものだから」当時普天間高校3年生だったの仲村清子は、高校生代表としてそう訴えた。それから20年、何も変わらない沖縄がある。

米軍を不当に優遇する日米地位協定の改定も切り出せず、「沖縄の負担軽減」と言いながら、普天間飛行場の代替施設を沖縄県名護市辺野古に新設するとし、それが唯一の解決策とする日本政府の姿勢が、繰り返される犯罪を生み出してきた。日本政府こそが、加害者であると私たちは断言する。これまでの沖縄県民の苦悩に思いをはせるならば、日本政府は基地の縮小撤去へと舵を切らなくてはならない。

「私たちに静かな沖縄を返してください。軍隊のない、悲劇のない、平和な島を返してください」20年前の仲村清子の声に、真摯に日本政府は耳を傾けよ。米軍基地の存在によって苦しめられてきた沖縄県民の思いを受け止めよ。これ以上、危険と隣り合わせに暮らし、悲しみと無念にくれる時を過ごさざるえない沖縄の現状を許すことはできない。平和フォーラムは、沖縄県民の思いに深く連帯し、更なる闘いに邁進する。

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