シリアで空爆競争?さながら「米・露」代理戦争 戦争やめろ!

シリアで「米・露」代理戦争!

ロシア戦闘爆撃機Su34、シリアでアメリカ支援の武装勢力を空爆か?

カテゴリ 軍事ニュース(世界)

2015年10月04日22:40ライブドアニュースより

ロシアは戦闘爆撃機や地上部隊を秘密裏にシリアに運び込み、シリアのアサド政権を支援するため空爆を開始しました。対象になっているのはイスラム国の他、アメリカが支援する武装勢力も含まれていて、(さながら)米露代理戦争になっている。(※カッコ書きは注記)

ロシアがシリア攻撃  さながら「空爆競争」
ロシアとアメリカ及び西側が相次いでシリアを空爆し、さながら空爆競争の様相を呈しています。
収まっていたかに見えたイスラム国を目標とした攻撃だが、なぜ今各国はシリア空爆を強化しているのでしょうか。ロシア外務省は9月9日、アサド政権へ武器を供与しているのを認め、軍事訓練も行っているのを認めました。

アメリカのケリー米国務長官は再三に渡ってロシアに対し、シリアへの軍事的関与を辞めるよう警告したと明かしました。ケリー長官は軍事的な干渉はシリア情勢をこじらせるだけだと批判したが、ロシアはこの後もシリア関与を続けました。
アメリカの偵察衛星はロシア海軍歩兵部隊兵士数百人が、数十台の車両と共に移動している様子を捉えていました。衛星はロシアの大型輸送船や大型輸送機で、シリアに大量の軍事物資や兵器を運搬しているのを撮影していました。
9月26日、ロシアから複数の戦闘機が「トランスポンダー」を切断して、シリアに向ったと発表しました。「トランスポンダー」は航空機の位置情報などを知らせる装置で、秘密裏にシリアに移動していました。Su34と見られる戦闘機は「トランスポンダー」を作動させた輸送機の周囲を飛ぶことで、長距離を誘導なしで飛行したようです。ロシアはシリアのラタキア市周辺で無人航空機の飛行を開始しているのも分かっています。

米露代理戦争へ

ロシアはシリアの同盟国なので、シリアのアサド政権を支援する立場から、軍隊を駐留させているものと見られる。米国はアサド政権と対立するイスラム国を攻撃しているが、同時にアサド大統領の退陣も求めている。9月30日、 ロシアは「イスラム国」に対する空爆作戦を開始し、この日は8ヵ所を攻撃して上空からの映像を公開しました。ロシアはイラクの外交官を通じて、空爆開始1時間前に米国に通知し、シリア空域からの米軍機の退去を求めました。

米国はロシアの空爆を「危険な行為だ」と非難し、ロシアの空爆場所にイスラム国の拠点がなかったと主張しました。10月1日、AFP通信はロシアがイスラム国以外の反体制派を空爆していると報道し、ロシア側もこれを認めました。アメリカはイスラム国を攻撃するために反体制派に武器を与えたり軍事訓練を行い、支援しています。アメリカはイスラム国と同時にシリアのアサド政権も「民主主義の敵」として、反体制派を支援して倒そうとしています。

シリア空爆は事実上、ロシア軍機が米軍の支援組織を空爆していることになり、確かに米国が言う通り「危険な行為」です。このような構図を大昔に見たことがあり、米国が南ベトナムと同盟を結んでいた時、ソ連が支援する北ベトナムを空襲しました。
現代は立場を入れ替えて、シリアの同盟国ロシアが、米軍の支援する武装組織を空襲しています。シリアの武装組織はゲリラ戦を展開するので、住宅地に隠れ住み、住民と一緒に暮らしています。オバマ大統領がロシアを非難していた頃、米軍機は診療所を誤爆していた。(意図的かも?)

引用:http://www.cnn.co.jp/storage/2015/10/03/42874c478108b225cf8756e1b57978b2/obama-press-cnn2.jpg

同じ間違いの繰り返し

当然ロシア軍もアメリカ軍も、敵にダメージを与えるには住宅地に爆弾を落とす事になり、住民に被害が出ています。ロシアの空爆は広い範囲に爆弾を散布する方式で、周辺への被害がかなり出ているようです。空爆をしているのはSu34爆撃機と見られているが、爆撃機と言ってもSu-27戦闘機の改良型で戦闘爆撃機に近い。

こうした緊張が走る中で10月3日未明、アフガニスタンで活動していた「国境無き医師団」の診療所を米軍機が誤爆しました。ロシアが爆撃しているシリアと、アメリカが爆撃しているアフガンは隣国で、互いに対抗意識を持って競争している。バツの悪い事に誤爆が起きたのは、オバマ大統領がロシア軍による誤爆を非難している頃だった。オバマ大統領は「ロシアは泥沼に巻き込まれるだろう」と言っていたが、アメリカも足が抜けなくなっているようです。

アメリカの「イスラム国退治」は全く進んでいませんが、こうした計算違いはオバマ大統領の米軍撤退から起きている。2008年に大統領に就任したオバマ大統領は、選挙公約だった中東からの米軍撤退を行い、軍事的空白地帯を作りました。

日本の某勢力が大好きな「非武装平和国家」が実現した訳ですが、非武装なので当然武装勢力が占領しました。イスラム国がやってきても兵士がいないので、何の抵抗も受けずに広大な領土を手に入れました。このばかげた事態はカーター大統領時代の1980年頃、アフガン撤退でも起きていて、米軍撤退後に同じようにタリバンが空白地を占拠しました。

タリバンを倒すためにソ連軍はアフガニスタンに侵攻し、結局ソ連は負けてソ連崩壊の原因になりました。アメリカもまた混乱した中東を収めるのに苦労し、2001年の同時多発テロを招きました。
この経緯は驚くほど現代に似ています。

 

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