戦争準備法の「国会提出」が迫っている! 3.20緊急メール

3月20日緊急メール

昨年7月1日に強行した憲法違反の「集団的自衛権」行使容認の閣議決定を実体化させるために、18本にものぼる個別法改「正」案が、今通常国会への提出に向けて準備されています。これらはまさに「戦争法案」です。与党間での密室協議(「安全保障の法整備に関する与党協議会」)で3月20日午後にも合意する内容には、「武力攻撃に至らない『グレーゾーン事態』への対処」、「日本周辺有事以外でも米軍などの後方支援を可能とする周辺事態法改正」、「国際紛争に対処する多国籍軍などを後方支援する恒久法の制定」、「国連平和維持活動(PKO)以外でも国際平和協力での自衛隊派遣を随時可能とするPKO協力法改正」、「集団的自衛権の行使を可能とする武力攻撃事態法などの改正」が盛り込まれると報道されています。つまり、これまでの制約を取り払って、自衛隊を、いつでも、どこにでも、派遣できるようにすることを狙うもので、決して許してはなりません。

3月7日緊急学習会(イン東京)レジメ  2015年2月3日メール配信

※ 自民党が公明党と詰めている与党間協議の内容

1 武力攻撃事態法と自衛隊法の改正

-集団的自衛権の行使を容認する新3要件の法律化、自衛隊法改正、武力攻撃事態対処法改正

他国軍隊への後方支援の見直し

-他国軍隊が「現に戦闘行為を行っている現場」以外での補給・輸送等の支援活動のための法整備

3 駆けつけ警護の容認等

-国連PKO等における「駆け付け警護」に伴う武器使用及び「任務遂行のための武器使用」

4 武力攻撃に至らない侵害への対処

-離島周辺等での不法行為に対応するための自衛隊による治安出動、海上警備行動の迅速化

 

■■戦争準備法案の国会提出が迫っている! ■■

さて、今年の統一地方選後には、集団的自衛権の行使に関する個別法が18本も出てくるとされています。これらは 戦争法案と言うべきものです。これに対して、私たちも大きな反対の声を作っていかなければなりません。

内閣官房の資料では、次のようになっています。

(1)我が国の防衛に直接関連する法制

○武力攻撃事態対処法(2003)/

○自衛隊法(防衛出動に関連した規定)/

○その他の事態対処法制

○国民保護法(2004)/

○特定公共施設利用法(2004)/

○米軍行動関連措置法(2004)/

○海上輸送規制法(2004) /

○捕虜取扱い法(2004)/

○国際人道法違反処罰法(2004)

(2)公共の秩序の維持に直接関連する法制

○自衛隊法/

○海賊対処法(2009)

(3)周辺事態への対応に関連する法制

○周辺事態安全確保法(1999)/

○船舶検査活動法(2000)/

○自衛隊法(周辺事態に関連した規定)

(4)国際平和協力等の推進に関連する法制

○国際平和協力法(1992)/

○国際緊急援助隊法(1987)(自衛隊は 1992 の改正以降参加)

○自衛隊法(国際平和協力業務等に関連した規定)/

○派遣処遇法(1995)/

・(時限法・失効)旧テロ対策特措法 (2001-2007)/

・(時限法・失効)旧補給支援特措法(2008-2010)/

・(時限法・失効)旧イラク人道復興支援 特措法(2003-2009)

■■法案の内容が分からないなかで、反対運動を作らなければならない ■■

その際にまず問題となることは、これらの法案の正確な中味がまだ分からないと言うことです。新聞などに観測記事が掲載される程度で条文内容が分からず、日弁連なども意見書を作ることすら難しい状況です。秘密保護法案もなかなか国会に提出されず、提出されたと思ったら、極めて短い時間の議論で、強行採決し、閉会となりました。

安倍政権はまた同じようにやろうとしていると見なければなりません。このようなやり方は本当におかしいと思いますが、私たちも、このような事態を前提に考えなければなりません。

■■法案内容を大胆に予測してディスカッションしたい ■■

そこで、法案の内容をさまざまに予測しながら、そこにどのような憲法上の問題があるかをトータルに議論する場を設けたいと考え、この学習会を企画しました。日弁連憲法本部の福田護弁護士と戦争をさせない1000人委員会事務局長代行の藤本泰成さんに、法案の内容と今後の情勢を予測してもらいながら、対談形式で、新進気鋭の憲法学者である青井未帆先生に憲法上の問題点についてコメ ントしていただく形で学習会をしたいと思います。考え得るベストメンバーによる学習会です。

■■予測される法案のアウトライン ■■

1 武力攻撃事態対処法と自衛隊法

閣議決定で設けられた、集団的自衛権の行使を容認する新3要件の法律化がメインの議題となると思われる。 自衛隊法第 76 条(防衛出動)の改正及び日本有事に関する法制(武力攻撃事態対処法等)の改正が想定される。

2 他国軍隊への後方支援の見直し

最大の問題は恒久法を作るかどうか。米軍戦争支援法 など新たな個別の立法なくして自衛隊を海外に出すものとなるだろう。他国軍隊への後方支援では、「武力行使と の一体化」論は前提とした上で、従来の「後方支援」や「非戦闘地域」といった枠組みを外し、他国軍隊が「現に戦闘 行為を行っている現場」以外での補給・輸送等の支援活動 は可能であるとして、必要な法整備が想定される。

3 駆けつけ警護の容認など

国連PKO等における「駆け付け警護」に伴う武器使用 及び「任務遂行のための武器使用」については、現行のP KO協力法の改正等が行われる可能性がある。また、邦人 救出などの警察的な活動については、自衛隊法第 84 条の 3(在外邦人等の輸送)、第 94 条の 5(在外邦人等輸送の際の権限[武器使用等])、第 95 条(武器等防護)の規定 などが改正の対象となる可能性がある。他方、PKO協力 法を発展的に解消し、「第2の2.」や「第2の3.」の 内容を幅広く含んだ形で国際平和協力の一般法を新たに制定しようとする可能性もある。PKO協力法の改正で行う可能性もある。

4 武力攻撃に至らない侵害への対処

離島周辺などでの不法行為に対応するため、自衛隊に よる治安出動や海上警備行動の発令手続の迅速化を図る ための方策が検討されている。離島周辺などでの不法行 為について、政府は、自衛隊による治安出動や海上警備行 動の発令手続を迅速化するための運用改善を検討すると し、現時点では法整備は必要ないとしている。他方、領域 (領海)警備法を新たに制定すべきとの主張もある。自衛隊法 95 条(武器等防護)の武器使用の考え方を参考としつつ、自衛隊と連携して我が国の防衛に資する行動を行 っている米軍部隊の武器等を防護するために、自衛隊の 武器使用を可能とする法整備が行われるだろう。

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