印刷(peace石川NO42 ) 2013年4月に発行いたしました。
いま、アベ政権はアブない選択を企んでいます。それは、憲法96条だけをまず「改訂」しようというのです。それを突破口に憲法全体を「自民党改憲草案」のように変えたいのです。
96条とはなにか? 憲法改定の「発議」要件です。それは、「権力者」に乱用されないように厳しい縛りをかけています。それが、両院国会議員の三分の二の賛成で憲法「改正」の発議ができる、という要件です。それの要件を「緩和」しようというのです。
曰く、「いままで憲法が一回も改正されなかったのは、その要件が厳しすぎたのだ」「日本だけが厳しい」と。そうではないでしょう! 「改正」の必要性がなかったからです。
ところでアメリカは、両院の三分の二の賛成で「発議」が成立し、四分の三の州議会の承認が必須となっています。ドイツも連邦議会の三分の二の賛成と連邦参議院の三分の二の賛成が必須です。過半数という国もありますが、日本だけが厳しいわけではありません。
ではなぜ、アベ政権は96条の「改訂」をしようとしているのでしょうか。
それは、長年の「桎梏」となっている憲法9条(戦争放棄、軍備放棄)を改訂し、「自衛隊」を「国軍」として認め、「自衛」と称して戦争ができるようにすることです。そのため、「発議」ハードルを低め、何回でも「改正」することができるようにすること、それが96条「改悪」の狙いなのです。権力者の横暴を防ぐためにも、絶対に阻止しなければなりません。