国会議員へ
要 請 文
3.11福島第一原発事故から1年が経過しました。しかし、放射能の放出はいまだ止まらず、空へ海へ垂れ流し状態です。原子炉は応急対策でやっと冷やされているというのが正しい認識であり、危険性をはらんでいる状況です。
この「過酷」事故は、自民党政権が長期にわたり、私たちの「危険性の指摘」を無視し、原子力中心のエネルギー政策を強行してきた結果です。そして、それらをまるごと追認した民主党政権の責任とも言えます。事故の原因解明や責任追及、被災者の補償など多くの課題が山積していますが、いまだ道半ばと言わざるを得ません。
このようなとき、民主党野田政権は4月13日、原子力安全委員長でさえ「一次ストレステストは再稼働の条件ではない」としている「新安全基準」で、大飯原発3,4号炉の「再稼働方針」を、専門家でもない四閣僚で決定しました。まさに言語道断の「政治判断」と言わなければなりません。
「再稼働方針」を決定した最大の理由は、5月5日に泊原発3号機が停止し「原発ゼロの日」が現出してしまうからです。そのまま夏場を乗り切られると原発稼働の「根拠」を失い、すべての原子力政策(核燃サイクルや核兵器など含む)が止まることを恐れているからにほかなりません。
このことは、国民の「生命」や「安全」より、財界から迫られている「安定した電力供給」や「経済発展」が優先するということです。核燃料サイクルで得られる「無限」のエネルギーと「核開発」の魔力の虜になっているとさえ言えます。このような「国民不在」の「暴挙」に断固として抗議します。
このような「暴挙」を許さないため、下記の四点を要請します。
記
1 北陸電力が志賀原発を再稼働させると、120万県民の生命と故郷は危険にさらされ、石川県が「死の街」になる恐れさえあります。したがって石川県に対し再稼働に同意しないよう要請すること。
2 民主党政権による「再稼働方針」決定には、安全性の保障も防災計画も被曝対策もなく、無責任の極みと言わざるを得ません。したがって立地県である石川県の代議士として、「再稼働方針」を撤回するよう申し入れること。
3 20世紀の負の遺産である原発は、稼働すればするほど処理方法が未確立の「使用済み核燃料」を生み出します。したがって廃炉の道しかなく、廃炉に向けたアクションを急ぐよう政府に要請すること。
4 原発は停止中でも「過酷事故」の危険があります。事故対策、防災計画、被曝対策などをきちんと行い、国民の生命と安全を守るため、政府に万全の体制を取るよう要請すること。
以 上
「さよなら!志賀原発」実行委員長 岩淵正明