中国電力株式会社
代表取締役社長 山下 隆 様
抗 議 文
計画公表から28年間、上関原発は住民の粘り強い反対運動によって建設が阻止されてきました。しかし、貴社は今月10日、多くの住民が抗議の声をあげる中、原発建設に向けた海面の埋め立て工事を強行しようと作業を開始しました。石川県平和運動センターは、海面埋め立て工事に強く抗議し、作業の即時中止と上関原発の計画中止を要求します。
上関原発が公表されて28年、この間、国内外の原発では重大事故や不正が続発し、その危険性は多くの国民の前に明らかになっています。特に新潟県中越沖地震に襲われた柏崎刈羽原発の被害の実態は原発震災の恐怖を現実のものとしました。石川県の志賀原発においても、北陸電力による活断層隠しや活断層の過小評価が相次いでおり、住民の不安と怒りは高まっています。こうした中、上関原発の計画地点の近くでも新たな活断層の存在が明らかになっています。地震列島に原発を建設すること自体、そもそも誤りだと言わなければなりません。
また、上関原発の予定地は瀬戸内の自然の宝庫と言われ、貴重な生物が多数確認されている大切な海域です。そこに原発を建設し、海域を埋め立て、温排水を流し続けることは、取り返しのつかない環境破壊となります。この海域を重要な漁場とする祝島漁民にとってはまさに死活問題です。計画浮上以来28年間、祝島島民が体を張って反対し続けてきたのは、上関原発がまさに島民の生きる権利を奪うからに他なりません。
周辺住民を大事故の危険性にさらし、環境を破壊し、地域住民の生活を破壊する一方で、電力需給を見るならば上関原発の必要性があるかとは到底思えません。
石川県においても、関西、中部、北陸の3電力が計画した珠洲原発が、計画公表から29年目に凍結(事実上の計画撤回)となりました。祝島島民の皆さんが珠洲原発の予定地住民と同じ年月、苦しみ続けていることを思うとき、上関原発は決してよそ事ではありません。埋め立て作業の即時中止、上関原発計画の中止の英断を強く要求します。
2009年9月24日
石川県平和運動センター
代 表 柚 木 光
【連絡先】石川県金沢市西念3-3-5
石川県勤労者福祉文化会館5階
℡ 076-233-2170