2008年12月1日
小松基地司令
石 野 貢 三 様
石川県平和運動センター
代 表 柚木 光
社民党石川県連合
代 表 宮下登詩子
小松基地爆音訴訟連絡会
代表代行 長田 孝志
小松能美勤労協連絡会
会 長 長田 孝志
加賀地区平和運動センター
議 長 森田 恵子
申 入 書
近畿中部防衛局はさる11月21日、小松市や石川県などを訪れ、航空自衛隊小松基地において本日から12月5日まで、米軍三沢基地所属のF16が参加しての日米共同訓練を実施すると発表した。
三沢基地所属のF16は、最新鋭電子機器の導入により戦闘能力が大幅に強化され、防空網制圧という特殊任務を担ってイラク戦争に参加し、バグダッド攻撃の先陣を切った最精鋭部隊である。このようなF16との共同訓練は、当初、日本政府から語られた沖縄の基地負担軽減とは全く無関係の、まさに米軍の世界戦略の下で自衛隊を米軍の指揮下に置き、小松基地の戦略的重要性を高めていくための訓練だと言わざるをえない。平和憲法に対する重大な挑戦であり、到底容認することはできない。
さらに、私たちがかねてから指摘してきた治安対策、事故対策、騒音対策においても、住民の不安は一段と高まっている。
米兵による犯罪や事故は防衛施設庁が把握しているだけでも年間1500件前後あり、三沢基地所属の米兵も例外ではない。米兵約80人が参加するという今回の訓練を私たちは危惧せざるを得ない。また、三沢基所属のF16は、これまでも空中での接触墜落事故や離陸失敗炎上事故など重大事故を繰り返している。近年もイラク戦争に備えての激しい訓練を実施する中で事故が絶えず、基地周辺住民は事故の恐怖に怯えている。騒音被害も深刻である。第5次爆音訴訟の原告が過去最大規模の2,121人にのぼることからも周辺住民の耐え難い苦痛は明らかであるが、米軍との共同訓練が被害をさらに増大させている。昨年5月の第1回訓練では、10.4協定に違反する飛行が数多く確認され、戦闘機の飛行回数も通常訓練時を大幅に上回っているのである。米軍飛行隊長は、10.4協定を遵守することは簡単だったとうそぶいて帰還しており、米軍に協定遵守の意識がないことは明らかである。
こうした米軍側の問題点に加え、今回の訓練では小松基地側の問題も指摘せざるを得ない。先般明らかになったアパグループの「真の近代史観」懸賞論文に、小松基地では幹部隊員を中心に64人もの隊員が応募していたことが明らかになった。基地司令の指示の下で政府見解に反旗を翻すという、自衛隊にとって絶対にあってはならない行動をとったのである。いまだに応募論文は未公開、事実関係の詳細は調査中、基地司令の責任も明らかにされていない。こうした中で、さらに憲法を踏みにじる日米共同訓練を実施する小松基地に対し、私たちは大きな脅威を感じると同時に、心の底からの怒りを禁じ得ない。
あらためて平和憲法を守る立場から日米共同訓練に反対することを表明すると同時に、さらなる悲劇が生み出される前に、ただちに共同訓練を中止するよう強く要請する。