北陸電力に原発運転の資格なし!志賀原発は動かすな!北電包囲行動
吹雪の中、500人が結集!! (2008年2月23日)
平和フォーラムと「北陸電力に原発運転の資格なし!全国署名運動」は2月23日(土)、富山市内で「北陸電力の原発運転の資格なし!志賀原発を動かすな!北電包囲行動」をおこないました。富山駅南口CiCビル前には北信越5県を中心に東京や大阪からも含め約500人があつまりました。2時からの集会は吹雪の中、下記の次第で進められ、冒頭、山崎議長は臨界事故隠しを批判し、その後の北陸電力の富山県議会への対応を紹介し、その体質を批判。今年は脱原発の年だ、ガンバローと訴えました。続く中垣たか子さんは昨年12月の北陸電力の活断層隠しを批判し、昨年3月の臨界事故隠し発覚後、隠さない企業風土づくりや、隠せない仕組みづくりを掲げているが実態は依然隠す体質そのままだと批判しました。原水禁福山事務局長は臨界事故隠しや耐震問題など原発をめぐって異常な事態が続いていることを指摘し、志賀原発も六ヶ所ももんじゅも柏崎刈羽もと止めていく脱原発の年にしようと訴えました。さらに社民党や新潟、福井からも連帯のあいさつを受け、集会アピール採択後、参加者は一同、志賀原発を動かしてはいけないという決意のもと、市内デモに出発しました。
集 会 次 第 (14:00~)
司会 富山県平和C事務局長 東 篤
主催者あいさつ
・平和フォーラム北信越ブロック 富山県平和C議長 山崎 彰
・全国署名運動 共同代表 中垣たか子
連帯のあいさつ
・原水禁国民会議 事務局長 福山 真劫
・社民党富山県連合 幹事長・県議会議員 菅沢 裕明
・柏崎現地から 地元3団体 佐藤 正幸
・福井から 原子力発電に反対する福井県民会議
小木曽美和子
メッセージ紹介
集会アピール 長野県労組会議幹事 関沢 一洋
シュプレヒコール 富山県平和C 中村 隼人
デモ行進指示
司会
デモ隊は富山市内を回り、「臨界事故隠しは許さないぞ!」「活断層隠しを許さないぞ!」などシュプレヒコールをあげ、北電本店のお膝元で志賀原発の運転再開反対を訴えました。デモの最後は北電本店の周囲をシュプレヒコールを上げながら回り、その間、代表団が本店敷地内に入り、北電に申入書を渡しました。北電側は建物内には入れず、通用口の外で対応するとし、出てきた上田地域広報課長は申し入れに対し「申し入れは経営層にきちんと報告する。臨界事故では皆さまに大変なご迷惑をおかけした。隠さない企業風土、何より安全を大切にする体質をつくっていく。今後も安全優先に、地域のため安定供給に全力を尽くしていくので、ご理解を」と述べ、代表団の怒りと失笑を買いました。
デモ行進後、親水広場に集まり総括集会が開かれました。石川県平和運動センターの嶋垣代表は、北電への申し入れの対応のあまりのひどさを報告し、運転再開阻止の決意を改めて訴えました。続いて能登原発差止め訴訟原告団代表の堂下健一さんも、志賀原発も柏崎刈羽ももんじゅも動かさないたたかいをつくっていこうと呼びかけました。
集会の最後は新潟県平和運動センター上越地区労会議議長柄澤幸一さんのガンバロー三唱で締めくくられました。
集会アピール
本日、私たちは富山県内各地から、北信越各県から、そして全国各地から、「志賀原発の運転再開は許さない!」という決意を胸に、北陸電力本店のあるここ富山市に結集しました。
昨年3月15日に公表された臨界事故隠しは、日本の原子力史上稀に見る重大事故であり、そして悪質な事件でした。放射性物質を扱う事業者として、決して起こしてはならないのが臨界事故です。北陸電力に原発を扱う技術的能力がないということが、明らかにされました。加えて安全協定を踏みにじり自治体に通報もせず、その後8年間も組織的に隠ぺいし続けてきたのです。住民の命を危険にさらす犯罪行為です。私たちは、当然、国が志賀原発の原子炉設置許可を取り消すものと思いました。ところが、国は北陸電力の杜撰な事故報告書と再発防止策を了承し、事実上の処分なしの決定を下し、石川県と志賀町もその判断を容認したのです。
臨界事故を隠し通して処分なしでは、いったいどんな大事故を起こせば処分を受けるのでしょうか。これでは国の安全規制の放棄であり、国が「隠し得」を奨励していることになります。「北陸電力に原発運転の資格なし!全国署名運動」は、「臨界事故隠しでも処分なし」という決定に対する大きな驚きと怒りからスタートしました。
署名運動を開始してまもなく、中越沖地震が柏崎刈羽原発を襲いました。黒煙を上げ、燃え続ける変圧器。波打ち、亀裂が走る原発敷地内の道路。大気と海への放射性物質の放出。そして原子炉や燃料棒、重要機器がどれだけ損傷したか調査はまさにこれからです。起こるはずがないと言われた設計用限界地震を超える揺れは、国の安全審査の信頼性を打ち砕きました。柏崎刈羽原発の光景は、耐震対策が不十分として金沢地裁から運転停止の判決を下された志賀原発の明日の姿です。
こうした中、昨年暮れには新たな活断層隠しが発覚しました。志賀原発沖合にマグニチュード7級の活断層が存在するにもかかわらず、地元自治体や住民には知らせませんでした。この活断層による地震の評価は、志賀原発で設計時に想定された基準地震動S1を上回っており、安全審査段階でこの事実が明らかになっていれば、設置許可申請そのままの許可はありえませんでした。立地の根拠を覆す重大な事実であり、当然安全審査はやり直すべきであり、今春の再稼働など論外です。
臨界事故隠しや活断層隠しへの怒り、そして原発震災への危機感から署名運動は全国各地に広がり、本日現在で518,107筆もの署名が寄せられました。全国から湧き上がる志賀原発を動かすなというたくさんの声を力として、本日の北電本店包囲行動を成功させましょう。そして本日の行動を契機に、地域や職場で「北陸電力に原発運転の資格なし!」の声をさらに大きく広め、運転再開を絶対に許さないたたかいを築きあげていく決意を確認しあい、集会アピールとします。
2008年2月23日
北陸電力に原発運転の資格なし!志賀原発を動かすな!
北電包囲行動 参加者一同
2008年2月23日
北陸電力株式会社
取締役社長 永原 功 様
北陸電力に原発運転の資格なし!全国署名運動
共同代表 嶋 垣 利 春
〃 中 垣 たか子
平和フォーラム北信越ブロック
申 入 書
臨界事故隠し発覚で国の運転停止命令により志賀原発1号機が停止してから11ヵ月、2号機がタービン損傷のために停止してから1年8ヶ月が経過しました。この間、北陸電力管内では原発が止まっていても停電に見舞われることはなく、原発事故の危険を怯えることもなく過ごすことができました。とくに昨年3月25日の能登半島地震の際は、誰もが「本当に、止まっていてよかった」と胸をなで下ろしました。
北陸電力管内だけでなく全国各地から、このまま志賀原発が止まっていることを願う声があがる中、
北陸電力はそれらの声に耳をかすことなく今春の運転再開に向けた取組みを強めています。
志賀原発の運転再開に反対する理由は、昨年11月6日の申し入れで述べたとおりです。臨界事故再発防止については、沸騰水型原発の制御棒の重大な構造的欠陥を放置し現場に責任を押し付けるだけのもので、抜本的な再発防止対策にはならないうえ、安全性に直結する作業を協力企業等に丸投げし、事故が起これば現場に責任を押し付ける無責任体質に何ら改善はみられません。
また、「隠さない企業体質」・「隠せない仕組み」づくりをスローガンに掲げているにもかかわらず、昨年12月に、また重大な事実を4年以上も隠していたことが発覚しました。原発沖合の活断層の影響を考慮せず、設置許可を得ていたというのです。しかも2003年にひそかに再評価し国には報告しながら、「設計用限界地震S2を超えないから安全」として公表しませんでした。
しかし隠されていた活断層の中には設計用最強地震S1を上回るものがあり、この事実が初めから明らかになっていれば志賀原発の設置許可はあり得ませんでした。北陸電力が実施中の「本来、必要はないが住民の安心のため」という気休めのような「耐震裕度向上工事」ではなく、設計からやり直し補強する必要があるのです。東京電力は2月19日に目視点検を終えたことを発表したばかりで、柏崎刈羽原発の被害実態はまだ一部しか明らかになっていないのに、北陸電力は翌20日、中越沖地震による柏崎刈羽原発の被害を踏まえた地震対策報告を石川県と志賀町に報告しました。このような運転再開のスケジュール優先の形式的な地震対策はとうてい認めるわけにいきません。
志賀原発の運転再開強行を許せば、あらたな事故が発生する危険性に加え、原発震災が現実のものとなりかねません。プルサーマル計画の導入など論外です。
そこで、518,107人の声を代表して、北陸電力に下記の申し入れをします。
記
1.北陸電力は、原発から撤退してください。
北陸電力にとって原子力発電所は不良債権であり、住民にとっては不安の元凶です。本当に安全を
最優先し、信頼される電力を目標に掲げるなら、脱原発の電力会社に生まれ変わってください。
2.志賀原発2号機差止め訴訟において、2006年3月24日、金沢地裁は北陸電力に対して「耐震性
に問題あり」として運転差止めを命じました。その後、能登半島地震、中越沖地震が発生し、現実
の地震によって判決の正しさが実証されています。金沢地裁判決に従い、原発を止めてください。
3.沖合の活断層が隠された経緯について事実をすべて明らかにするとともに、海域陸域ともに活断
層調査のデータの公表し、最新の知見にもとづき活断層評価をやり直してください。