六ヶ所再処理工場の現状(平和フォーラム ニュースペーパーより転記)

六ヶ所再処理工場の現状  今すぐやめよう!無駄で危険な再処理工場   

                                                                                                       原子力資料情報室 澤井正子


六ヶ所再処理工場全景(日本原燃のホームページから)

事業計画から見れば、事業申請から29年、建設開始から25年、法的には六ヶ所再処理工場は本格操業前の「使用前検査」という状態が12年続いている。本格操業開始はこのまますべてがうまく行っても3年後の2021年、工場はそこから約40年稼働する予定だ。そして最後には工場解体(約40年かかる)が待っている。計画全体としては100年を優に超える。私は元号を使う人間ではないのだが、六ヶ所再処理工場は、計画当初から見れば昭和→平成→○○(2文字という噂である)と、3つ(もしかしたらその次の元号)にまたがる「超巨大プロジェクト!」ということになる。

既に老朽化している工場
申請書どおり工場が建設されているかをみる「使用前検査」の状態で、計画は足踏みしている。設備の不具合は数々あるが、最大の問題はガラス固化体製造工程だ。ガラスと高レベル放射性廃液がうまい具合に混ざらないため、ガラス固化体が作れない。このプロセスの事故・トラブル・改造等で11年が費やされてきた。その間に、2006年の新耐震指針、2011年3月の福島第一原子力発電所事故を経て、2013年の新規制基準と、規制する法律がどんどん変更された。その都度「申請書」の内容を変更することになり、当初は「バックチェック」でよかったが、「バックフィット(遡及適用)」となり、安全審査が再度行われ、それに合わせた設計変更等が実施されている。どだい「建設中の工場」なのだが、本格稼働前に設計変更が行われ、施設では試験のためにすでに使用済み燃料や濃硝酸が工程に入って20年以上経過している。普通の工場でも20年も経てば様々な補修やメンテナンスが必要だが、酸による腐食や放射能に係わる「老朽化」も始まり、原子力施設特有の事故も発生する状態となっている。
何とかして安全審査を終了し、本格操業を始めたいとする六ヶ所再処理工場だが、なんと2017年10月11日の原子力規制委員会の定例会合で、事業者の日本原燃自らが「安全審査の中断」を申し出るという前代未聞の事態に立ち至っている。というか、「そう言わざるを得ない状況」となっているというのが今の「現状」である。
福島第一原子力発電所は、3月11日の地震にともなって発生した津波によって全ての電源を失い、3基の原子炉でメルトダウン事故が発生した。事故の教訓の一つは、非常用電源の確保と言っても過言ではないだろう。だから「新規制基準」は、様々な方法で非常用電源の確保を義務付けている。この規則を六ヶ所再処理工場は、守れない状態となっているのだ。
さらに問題は、「再処理工場の非常用電源建屋への雨水流入」事故によって、規制委員会から、複数の保安規定違反が指摘されたことだ。「保安規定」とは、原子力施設運転の際、事業者が守るべき検査・保守・管理や安全確保のための基本的事項、事故時の対応方法について定めたものである。事業者は運転開始前に、「保安規定」を作成し、規制委員会の認可を受ける。六ヶ所再処理工場では、この最低限の「規則(お約束)」が守られていないというのだ(六ヶ所再処理工場は正式な運転許可を受けていないが、試験運転用の保安規定が適応されている)。

またもや明らかになったずさんな点検体制
六ヶ所再処理工場の非常用電源建屋には、ディーゼル発電機2台が設置されている。発電機本体は地上1階に設置されているが、発電機に燃料油を供給するポンプや燃料タンクは地下1階にある。この施設で2017年8月、発電機の燃料油供給配管が収められている地下1階の配管ピットに800リットルの雨水が貯まり、その雨水が建屋側に流入する事故が発生した(福島第一原子力発電所事故と同様、配管が水没し非常用発電機が機能しなくなる可能性があった)。さらに事故の原因調査でとんでもないことが数々明らかになった。(1)配管ピットの点検口を建屋建設以来”14年間”一度も開けておらず、配管の点検を実施していなかった。ところが、(2)定められた「点検日誌」には点検結果を記載し「異常なし」としていた。日本原燃は隣にある「ケーブルピット」を「配管ピット」と間違えて点検していた、と言い訳している(14年間も間違えるか?)。(3)現場調査で雨水の漏えい跡が確認できる写真を撮りながら、問題がない旨の報告を作成していた、等々である。
原発の再稼働を進めるさすがの原子力規制委員会も、これらの行為は、保安規定に完全に違反する、と断じた。六ヶ所再処理工場の安全性は確保できないというのである。会合に出席した日本原燃の工藤社長は、自らの工場のあまりにもズサンな安全管理体制について陳謝し、「ギブ・アップ」発言せざるを得なかった。事業者が「安全審査」の中断を申し出たのだ。2018年3月中旬現在、審査再開の目処はない。六ヶ所再処理工場の先行きは、ますます不透明となっている。
(さわいまさこ)

カテゴリー: PEACE石川(機関紙), トピックス, 人権, 住民の暮らしに直結する課題, 全国・中央・北信越, 原水禁, 友誼団体, 反戦・平和, 反核・脱原発, 核兵器・放射能・核開発, 環境(原水禁、核燃、放射能・食品汚染), 脱原発・核燃, 護憲・憲法改悪反対・教育・歴史 | 六ヶ所再処理工場の現状(平和フォーラム ニュースペーパーより転記) はコメントを受け付けていません

板門店宣言を歓迎し、日米両政府に真摯な対応を求める

2018年5月1日

板門店宣言を歓迎し、日米両政府に真摯な対応を求める

(平和フォーラム・原水禁声明)

フォーラム平和・人権・環境

(平和フォーラム)

原水爆禁止日本国民会議(原水禁)

共同代表 川野浩一

福山真劫

藤本泰成

 2018年4月27日、大韓民国文在寅大統領と朝鮮民主主義人民共和国金正恩朝鮮労働党委員長は、南北軍事境界線をまたぐ板門店において、南北首脳としては11年ぶりとなる会談に臨み「板門店宣言」を採択し署名した。宣言は、①自主統一への未来を早める、②軍事的緊張状態を緩和し戦争の危険を実質的に解消する、③終戦を宣言し、休戦協定を平和協定に転換する、④完全な非核化を通じて、核のない朝鮮半島を実現するとして、様々なとりくみを上げている。

平和フォーラム・原水禁は、この間の北朝鮮の核実験をきびしく批判するとともに、日米両国の北朝鮮への制裁措置と米韓・日米の軍事演習の停止、対話の再開を求めて来た。平和フォーラム・原水禁は、南北首脳の決断を心から歓迎する。           会談後の共同発表で、文在寅大統領は「民族の念願である統一のための大きな一歩を踏み出した」とし、金正恩労働党委員長も、「我々は闘うべき異民族ではなく、仲良く生きるべき一つの民族だ」とした。植民地支配と侵略戦争の結果、南北分断の要因をつくった日本と朝鮮戦争の責任を負うべき米国両政府は、南北両首脳のこの言葉に真摯に向き合わなくてはならない。朝鮮半島の民族の繁栄に、日米両政府は力を尽くさなくてはならない。

朝鮮半島における最大の軍事的脅威であった核兵器の問題に関しては、「南と北は完全な非核化を通じて、核のない朝鮮半島を実現するという共同の目標を確認した」とした。金正恩労働党委員長は、加えて5月中に咸鏡北道豊渓里(ハムギヨンプクト・ブンゲリ)の核実験場を米韓の専門家やメディアへの公開の場で廃棄すると明言している。そもそも、核開発は米国の脅威への対抗としてきた金正恩労働党委員長が、南北首脳会談で「完全な非核化」に言及したことの意味をしっかりと捉えなくてはならない。

日本のメディアの論調は「非核化の具体策がない」「非核化には懐疑的」などきびしい論調が目立つ。しかし、後ろ向きの議論で日朝関係を正常化することが可能なのだろうか。東北アジアの平和に貢献できるのだろうか。南北両首脳が投げかけた言葉を、日本政府はしっかりと受け止めなくてはならない。日本政府は、米国の政策に与することなく、国交正常化へのとりくみを再開しなくてはならない。

米国政府は、「非核化されるまで最大限の圧力は続く」と表明している。米国は、完全で検証可能な不可逆的廃棄を求めている。しかし、段階を踏まずして廃棄まで進むとは考えられない。米国は、「核体勢の見直し」でも明らかなように、更なる核攻撃の能力の向上をめざしている核大国であることを忘れてはならない。また、休戦協定を平和協定へと言う南北両首脳の主張が、米国も対象にしていることを忘れてはならない。米韓合同軍事演習の規模・内容を含めて、米国が脅威であることは明白な事実だ。金正恩労働党委員長は、文在寅大統領に「米国と信頼を築き、終戦と不可侵の約束をすれば、我々が核を持つ必要があるだろうか」と語ったとされる。米国政府は、まず、平和協定締結へのとりくみをすすめるべきだ。

平和フォーラム・原水禁は、東北アジアの平和のために、米韓・日米の合同軍事演習のすみやかな停止と、朝鮮戦争を終戦に導き平和協定締結への道に進むことを、日米両政府に強く求める。また、その道筋を基本に、金正恩朝鮮労働党委員長には「完全な非核化」への具体策を示すことを強く求める。

カテゴリー: トピックス, 人権, 住民の暮らしに直結する課題, 全国・中央・北信越, 原水禁, 友誼団体, 反戦・平和, 反核・脱原発, 護憲・憲法改悪反対・教育・歴史 | 板門店宣言を歓迎し、日米両政府に真摯な対応を求める はコメントを受け付けていません

核政策を改め、核兵器廃絶への歩みを進めることを求める 特別決議

2018年2月2日、米トランプ政権は、「核態勢の見直し」(NPR)を発表しました。小型核兵器や新たな核巡航ミサイルの開発をめざし、通常兵器による攻撃やサイバー攻撃にさえ核の使用を予定するなど、「力による平和」を主張するトランプ大統領の意向を反映したものとなっています。2017年7月7日に国連で122か国の賛成をもって「核兵器禁止条約」が採択されました。世界は、核兵器廃絶を望んでいます。「核保有国として、核兵器を使用したことがあるただ一つの核保有国として、米国は行動する道義的な責任を持っています」として「米国が核兵器のない平和で安全な世界を追求すると約束します」としたオバマ前大統領の勇気ある発言を、米国は忘れてはなりません。米国政府は、「核兵器禁止条約」を「全く非現実的な核廃絶の期待である」として否定することはできないのです。「核と人類は共存できない」として核兵器廃絶の運動をすすめてきた原水禁は、米トランプ政権に対して強く抗議します。

一方で、唯一の戦争被爆国として核兵器廃絶を求める姿勢を示してきた日本政府は、核兵器禁止条約に背を向け、米トランプ大統領のNPRを「高く評価する」としています。病を押し自らの体にむち打ち、核兵器廃絶のために声を上げ続けてきた被爆者の思いを踏みにじる日本政府の姿勢は、決して許すことはできません。

オバマ前大統領が、核兵器の先制不使用宣言を検討した際、日本は反対の意思を伝えたといわれています。今回、米国の科学者組織「憂慮する科学者同盟(UCS)」が入手した文書によれば、日本政府は、NPRに関する米国戦略態勢議会委員会において、米国政府に対して核戦力の拡大・充実を要求しています。米国内には「日本の要望を受け入れないと、独自に核武装するのではないかと」との懸念もあがったと言われ、実際にNPRの内容は、日本政府の要求を反映したものとなっています。国連の場などにおいては核兵器廃絶を求めるとしながら、米国には核戦力の拡大・充実を求める日本政府の姿勢は、核兵器廃絶を願う全世界の人々を裏切るものです

朝鮮民主主義人民共和国による核実験やミサイル発射実験と拡大する米韓軍事演習の中で、緊張する事態が続いた朝鮮半島では、4月末に南北首脳会談、5月には米朝首脳会談が開催される見通しで、朝鮮半島の「非核化」と「平和」に向けて新たな局面が開かれようとしています。紆余曲折が予想されますが、北朝鮮の非核化と朝鮮半島の正常化へ道が開けつつあることは明らかです。今まさに日本政府は、北朝鮮敵視の政策を改め圧力と制裁一辺倒の対応に終始することなく、東北アジアの非核化にむけた新たなとりくみを開始すべきです。日本政府は、核セキュリティ・サミットで国際公約した核兵器物質の最小化にとりくみ、もんじゅ廃炉後の核燃料サイクル計画を見直し、プルトニウム政策から脱却しなくてはなりません。そのことは、核問題に対する日本のイニシアチブを強化し、東北アジアの非核化に向けた第一歩となることは間違いありません。

原水禁は、日本政府のプルトニウム政策の放棄や、核兵器禁止条約の批准、そして米国を中心に核兵器保有国が、先制不使用宣言や非現実的な即時警戒態勢の解除など可能なところから議論を重ね、核兵器削減への着実な歩みを進めていくことを求めます。

「核と人類は共存できない」核絶対否定の考えを最後まで貫き、原水禁は「核なき世界」実現に向けて最後までとりくむことを確認します。

2018年4月18日

フォーラム平和・人権・環境第20回総会

原水爆禁止日本国民会議第93回全国委員会

 

カテゴリー: PEACE石川(機関紙), トピックス, 人権, 住民の暮らしに直結する課題, 全国・中央・北信越, 原水禁, 友誼団体, 反戦・平和, 反核・脱原発, 環境(原水禁、核燃、放射能・食品汚染), 護憲・憲法改悪反対・教育・歴史 | 核政策を改め、核兵器廃絶への歩みを進めることを求める 特別決議 はコメントを受け付けていません

森友・加計学園疑惑徹底追及!改憲阻止! 安倍政権退陣をめざす特別決議

3月2日の朝日新聞のスクープをきっかけに、森友学園疑惑をめぐる財務省公文書が改ざんされていたことが発覚しました。さらにその後、加計学園をめぐり「首相案件」と書かれた文書の存在も明らかになりました。また、「ない」とされていた防衛省のPKO日報が相次いで発見され、この間組織ぐるみで隠ぺいが行われてきたという事実も、白日の下にさらされることになりました。

文書改ざんの問題は、単に森友学園などの個別の疑惑にのみかかわるのではありません。安倍政権のもとで、法の支配、そして議会制民主主義が、根底から破壊されようとしていることを示しています。政府・与党は早期の幕引きを図ろうとしていますが、ならばなおさらのこと、徹底的に追及し、責任の所在を明らかにしなければなりません。

私たち平和フォーラムは、戦争をさせない1000人委員会、総がかり行動実行委員会に結集しつつ、連日の国会前行動、そして街頭宣伝行動にとりくみ、市民と野党の共同によるたたかいをつくってきました。また、連動しての集会・行動を、全国各地でとりくんできました。4月14日には、国会正門前に3万を超える市民が集まり、車道を埋め尽くしての大抗議行動となりました。

徹底追及の声が高まるなか、安倍政権支持率は30%台にまで下落しています。安倍首相は信用できないという世論が急激に高まっています。この情勢に、政府・与党は激しく動揺をしています。3月25日の自民党大会では、憲法9条、教育の無償化、緊急事態への対応、参院選挙区の合区解消などの改憲案を提示し、「実現をめざす」方針を採択したものの、国会発議の見通しは全く立たなくなっています。公明党も明確に改憲論議から距離を取り始めました。

しかし、安倍首相は14日行われた自民党大阪府連の臨時党員大会で、「憲法に日本の独立と平和を守る自衛隊を明記し、違憲論争に終止符を打つ。それが自民党の責務だ」などと発言し、改憲をあきらめない姿勢を示しました。安倍政権による憲法改正ならぬ憲法改ざんなど、絶対に許すことはできません。国会内外のたたかいで、必ず阻止しましょう。「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」を、よりいっそう大きく拡げていきましょう。

平和フォーラムは、平和と民主主義、そして一人ひとりのいのちの尊厳を守るために、「2020年改憲」を今なお策動する安倍政権退陣に向け、全国で、全力を尽くす決意を確認します。ともにがんばりましょう!

2018年4月18日

平和フォーラム第20回総会

カテゴリー: PEACE石川(機関紙), トピックス, 人権, 住民の暮らしに直結する課題, 全国・中央・北信越, 友誼団体, 反戦・平和, 護憲・憲法改悪反対・教育・歴史 | 森友・加計学園疑惑徹底追及!改憲阻止! 安倍政権退陣をめざす特別決議 はコメントを受け付けていません

18年度軍事費 後年度負担を加えると10.2兆円! GDP比1%を大きく超える1.9%(平和フォーラム)

18年度軍事費5.2兆円、これに匹敵する後年度負担5.0兆円  総額10.2兆円はGDP比1.9%だ

                                                               山口大輔  2018年3月31日

3月28日、参議院で今年度の防衛予算案●1が採決され、成立した。5兆1,911億円(SACO、米軍再編経費を含む。)が計上され、13年度以降6年連続の増額、3年連続の5兆円超えである。GDP1%枠というが国民が支払った税金を元にした18年度の国家予算は約98億円であり、5兆円はその5%になることを国民はもっと意識した方がいい。本欄昨年1月号で説明しているように防衛関係費は表のように、1)人件・糧食費、2)歳出化経費(17年度以前の契約に基づき18年度支払う経費)、3)一般物件費(18年度の契約に基づき18年度支払われる経費)に仕分けできる。

防衛費及び後年度負担額の推移

(参照)
『ファイナンス』「平成27年度防衛関係費について」(財務省、15年5月)、「平成29年度防衛関係費について」(同、17年5月)
2018年のみ「わが国の防衛と予算(案)」(防衛省、17年12月)
2018年のうち合計後年度負担のみ宮本徹衆議院議員による防衛省提出資料等を元にした18年2月16日衆議院財務金融委員会提出資料(1)

高額装備一覧
今年度調達予定の高額の装備を上から7つあげると以下である。

  • 3,900トン級新型護衛艦2隻(922億円)
  • F-35A戦闘機6機(785億円)
  • 3,000トン型新型潜水艦1隻(697億円)
  • C-2輸送機2機(435億円)
  • V-22オスプレイ4機(393億円)。
  • KC-46A空中給油・輸送機1機(267億円)
  • E-2D早期警戒機1機(247億円)

国民的議論が必要な項目
注1で参照した「わが国の防衛と予算(案)」の中で国民的にもっと議論すべき部分に注意を喚起したい。
最初に「Ⅱ各種事態における実効的な抑止及び対処 1 周辺海空域における安全確保」の中で、敵基地攻撃能力に当たるのではないかとの議論がされている、相手の脅威圏外から発射可能なスタンドオフミサイルの導入に22億円が充てられている。これは憲法9条2項が専守防衛のための戦力のみを認めるという立場に立った場合に違憲となる疑いが極めて強い。
次に「同 2 島嶼部に対する攻撃への対応」のための経費を見る。この目的のために導入されるV-22オスプレイはご存じのとおり構造上の欠陥から事故率が下がらず、むしろ高くなる傾向がみられる。政府は、この理由を説明することができずにおり、構造上の欠陥から来ていると考えられる。警備部隊、中距離地対空誘導弾部隊ないし地対艦誘導弾部隊を配置する予定の奄美大島、宮古島、石垣島の拠点建設に553億円を計上している。これは尖閣諸島の領有問題を抱える中国を刺激し、中国の軍事力増強を誘発する恐れがある。それに対応して日本がさらに軍事力を増強するという無限ループ(軍事力による安全保障のジレンマ)に陥る可能性がある。拠点が設置される島々は自衛隊部隊の配備により敵の標的となり、戦場となる恐れが高まる。日本政府は部隊を配備すれば抑止力が高まり安全になるという。しかし、住民の安全を考えた時に本当にそうなのか、一義的には該当島嶼の住民、そして日本の安全保障という意味では国民全員が考える必要がある。
最後に「同 3 弾道ミサイル攻撃への対応」に関する経費を見る。まず陸上配備型イージスシステム(イージス・アショア)の導入のための基本設計、地質測量調査等の実施のために7億円を計上している。イージス・アショアは1基1,000億円とも言われており東・西日本に各1基、計2基の導入が予定されている。そしてイージス艦搭載用日米共同開発のSM-3ブロックIIA、IBの取得に627億円を割り当てている。対弾道ミサイルSM-3ブロックIIAの試験は、発射の時間・場所が事前に知られていても100%は成功していない●2。ミサイル防衛の信頼性は未知数である。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)はミサイル防衛を無効にするため、ロフテッド軌道での弾道ミサイルの発射や複数ミサイルの同時発射を模索しているとされている。また3月1日、ロシアのプーチン大統領は年次教書演説でミサイル防衛を突破できる核搭載巡航ミサイルを紹介した。この巨額の費用を伴う楯と矛の競争にも終わりが見えないのは明らかである。
上記3点とは少し趣旨が異なるがⅥ「効率化への取り組み 2 維持・整備方法の見直し」の縮減見込み額685億円という記述が目を引いた。定期整備間隔の延伸等により、維持整備コストの効率化を追求、とされている。「平成30年度防衛関係予算のポイント」(財務省主計官、17年12月)によれば14~18年度で合計2,074億円が削減されている。効率化により費用が削減されること自体は歓迎すべきことである。安全を犠牲にして整備間隔を延伸していることはあり得ないと思うが、整備間隔を空けることは間違いなく整備状況の低下を招いているはずである。2月21日、佐賀県の陸自目達原(めたばる)駐屯地所属のヘリコプターが墜落し乗員2名が死亡したこと、昨年10月17日、静岡県の空自浜松基地所属の救難ヘリコプターが消息を絶ち乗員1名が死亡、3名が行方不明のままであることが思い出される。自衛官の命にかかわる必要な整備を削減して、不要な装備に資金を回しているということは絶対にないようにしてもらいたい。

後年度負担を分析する
本欄昨年1月号で取り上げた後年度負担について、今回は既定後年度負担(翌年度の支払いが前年度までに確定している分)、新規後年度負担(当年度に新たに発生した分)、その合計の年次推移を見てみたい。13年まで3兆円前後であった後年度負担の合計は14年度予算、15年度予算でそれぞれ12、20%と大幅にアップしている。その後も7、5、4%と比較的高い伸び率を示し続けている。18年度案の19年度以降の後年度負担は5兆円を越えており、18年度の防衛予算に匹敵する。その年の既定後年度負担の数字は例年5月に財務省広報誌「ファイナンス」に掲載されているので隠ぺいしているとまでは言えないが、例年、前年の夏に発表される防衛省の「わが国の防衛と予算」では13年以降は既定後年度負担の記載がされなくなっており、後年度負担がどれだけ積み上がっているのかを国民の目に触れなくしようとしているのではないかという疑念を禁じ得ない。
個別の装備について毎年の支払額がどうなっているか防衛省の資料で調べた。高額装備一覧に挙げた装備のうち、他費目との紛れが少ないと思われる新型護衛艦と新型潜水艦に注目した●3。ところが新型護衛艦は922億円のうち今年度の負担がなく、来年から3年間合計で142億円支払うことだけが記され、その後の支払い額の記述がない。新型潜水艦は697億円のうち今年度の負担がなく、2020年度に22億円を支払うことしか示されていない。情報公開で明らかにしていくべきところが多くあるという課題が残った。
本欄の昨年1月号でも説明したように日本は憲法86条により予算単年度主義を取っている。それでは不都合が生じる長期事業、例えば建設事業には、財政法の特例により5年の分割支払いが可能とされてきた。厳しい財政状況を理由として15年4月30日、「特定防衛調達に係る国庫債務負担行為により支出すべき年限に関する特別措置法」が施行され、これにより10年の分割払いが可能になった。これは直前の3月31日に成立した15年度予算にも適用可能とされている。ここで15年度の後年度負担とそれに対応する16年度以降の歳出化経費(もう一度説明すると「前年度以前の契約に基づき当年度支払う経費」)との関係について分析した。15年度の歳出化経費の額がその後4年間続いたと仮定してシュミレーションを行った(15~17年度まで歳出化経費は1兆8,260億円~1兆8,767億円の間にあるので妥当な仮定と考える。)。すると4年間合計で7兆3,040億円となり、表にある15年度後年度負担の4兆3,634億円は既にその60%となる。14年度予算で同じシュミレーションを行うと51%で、高額支出を続けるには5年を10年に延長せざるをえなかった状況が見て取れる。
続いて、直近の18年度の後年度負担と19年度以降の歳出化経費との関係について同じように分析した。歳出化経費は9年間合計で17兆82億円、18年度の後年度負担5兆768億円は既にその30%にもなる。仮に政権交代があったとしても、のちの政権もこれに縛られる。この特例措置法は来年19年3月31日に失効することになっている。長期にわたる軍事支出を固定化するこの法律の更新を絶対に認めてはならない。
今年度は13年12月17日に閣議決定された「中期防衛力整備計画(中期防)」の最終年度に当たる。今年の年末には次期中期防がまとめられることになっている。今国会での防衛費の議論が低調であるとの報道があった。16年3月の安保法制の施行後、間違いなく自衛隊と米軍の一体運用に向けた態勢づくりが進められている。今年度予算で増備される輸送機や空中給油機は、海外で戦争ができる態勢づくりという文脈で語られることは決してない。我々市民はこうした状況下で防衛費にこれまで以上に目を光らせる必要がある。

注   1 「わが国の防衛と予算(案)」(防衛省17年12月)

カテゴリー: PEACE石川(機関紙), トピックス, 人権, 住民の暮らしに直結する課題, 全国・中央・北信越, 原水禁, 友誼団体, 反基地, 反戦・平和, 反核・脱原発, 環境(原水禁、核燃、放射能・食品汚染), 護憲・憲法改悪反対・教育・歴史, 護憲・憲法改悪反対 | 18年度軍事費 後年度負担を加えると10.2兆円! GDP比1%を大きく超える1.9%(平和フォーラム) はコメントを受け付けていません

憲法施行71周年「安倍改憲NO!市民アクション」石川県民集会

20180403 施行71周年「安倍改憲NO!市民アクション」県民集会 歌劇座 浜矩子教授

カテゴリー: トピックス, 人権, 住民の暮らしに直結する課題, 全国・中央・北信越, 友誼団体, 反戦・平和, 護憲・憲法改悪反対・教育・歴史, 護憲・憲法改悪反対 | 憲法施行71周年「安倍改憲NO!市民アクション」石川県民集会 はコメントを受け付けていません

イージス・アショア配備の問題点(チラシ)

イージス・アショア配備の問題点(チラシ) (1)

カテゴリー: PEACE石川(機関紙), トピックス, 人権, 住民の暮らしに直結する課題, 全国・中央・北信越, 反基地, 反戦・平和, 環境(原水禁、核燃、放射能・食品汚染), 護憲・憲法改悪反対・教育・歴史, 護憲・憲法改悪反対 | イージス・アショア配備の問題点(チラシ) はコメントを受け付けていません

労 働 歌

がんばろう がんばろう(労働歌メドレー) インターナショナル 沖縄を返せ

ワルシャワ労働歌 ワルシャワ労働歌 美しき5月のパリ イムジン河 メーデー歌

ラ・ マルセイエーズ

カテゴリー: PEACE石川(機関紙), トピックス, 文化・芸術, 運営 | 労 働 歌 はコメントを受け付けていません

政府の日本版海兵隊「水陸機動団」新編と 自民党改憲素案の危険性に抗議

政府の日本版海兵隊「水陸機動団」新編に抗議

政府は3月6日に日本版海兵隊「水陸機動団」の新編を閣議決定しました。3月27日には同機動隊を陸上自衛隊に新編し、長崎県佐世保市の相浦駐屯地に2個連隊を配備し、大分・玖珠駐屯地にも水陸両用車を運用する部隊を一部配置すると報じられました。

「水陸機動団」とは尖閣諸島や南西諸島などで敵に奪われた離島奪還を担い、上陸作戦を担当する部隊で、水陸両用車を運用する部隊のほか、偵察、通信、施設、後方支援、教育など役割ごとに編成されます。

これまでも日米共同訓練において、日本の陸上自衛隊がアメリカ海兵隊とともに水陸両用訓練を実施しており、在沖縄米海兵隊に派遣・研修を実施していました。これを本格的な部隊として編成されたものです。

「水陸機動団」の任務は、敵に奪われた離島奪還とされていますが、米海兵隊の任務でみると、敵地に乗り込む先制攻撃部隊でもあり、専守防衛の基本原則を踏み越える機能をもつ部隊となります。自衛隊の護衛艦「いずも」を改修して「空母」とし、短距離離陸・垂直着陸可能なF35Bを搭載可能とする計画とも一体のものです。

安倍政権はこの間、集団的自衛権行使を容認し、安保関連法(=戦争法)を成立させ、9条改憲を策動してきましたが、水陸機動団新編は、これらの動向と一体を成すものです。戦争する国づくりは、とうてい許すことはできません。

改憲の先取りである水陸機動団新編に断固抗議するものです。

2018年4月12日

「憲法改悪阻止!戦争法7廃止!」を呼びかける八団体

石川県憲法を守る会、石川憲法会議、石川県平和運動センター、

石川県労働組合総連合、九条の会・石川ネット、戦争をさせない石川の会、

戦争をさせない1000人委員会・石川、青年法律家協会北陸支部

 

緊急抗議声明

自民党改憲(素)案の危険性

3月25日、自民党は党大会を開催し、憲法「改正」の基本的な方向性を確認しました。もともと同党は、この大会で党としての改憲案をとりまとめ、今年中の改憲発議にはずみをつける思惑がありました。

しかし、自民党内では復古的改憲論が存在し、党内意見の調整に手間取り、加えて森友問題の財務省公文書改ざん発覚により、「国民の信頼が揺らいでいるとき、改憲案を発表できない」という自民党内の批判に抗しきれず、自民党素案として確認したにすぎないものでした。

このような改憲(素)案ではありますが、基本的な方向性について多くの問題点と危険性を指摘せざるを得ず、抗議声明としてここに発表します。

1.9条を死文化させる9条の2追加

自民党の改憲(素)案は、9条2項は維持した上で、9条の2として、自衛の措置をとるための実力組織として、自衛隊を保持することを追加する案ですが、

この案は、9条の2を書き加えることにより、「自衛の措置をとることを妨げない」としているものの、自衛隊の行動と権限について何らの限定もつけられていないため、敵基地攻撃を含め、あらゆる戦争が可能となり9条1項の「戦争放棄」を死文化させることになります。

また、安倍首相は、9条を変えても「自衛隊の任務・権限は変わらない」としていますが、今回の案では自衛隊の任務・権限は大幅に強化され、全面的な集団的自衛権の行使もできる軍隊となる危険性があります。
さらに、今回の案では、従来政府の合憲解釈の前提とされていた「必要最小限度」の限定を削除し、「実力組織」として「自衛隊を保持」することとされているため、9条2項で保持を禁止されている「戦力」に該当するか否かの「自衛隊違憲論」は解決されることはありません。

2.いつでも適用可能な緊急事態条項

「緊急事態条項」については、「大地震その他の異常かつ大規模な災害」の際の内閣による政令制定権(非常事態権限)について定めています。しかし、大地震などの自然災害に対応するための措置権限は、すでに災害対策基本法や大規模地震対策特別措置法などによって規定されており、憲法で、内閣に全権を委ねることなどあってはなりません。非常時に、法律と同等の権限を持つ政令を内閣が制定し、基本的人権などを制約する緊急事態条項は、自然災害にとどまらず、軍事的な緊急事態における内閣の権限拡大と人権の大幅な制限に適用される危険性があります。

他の2項、参院合区解消と教育の無償化は、法律改正でできるものであり、そもそも改憲の必要性はありません。

今回の自民党の改憲素案の基本的な方向性は、日本国憲法の平和主義、国民主権、議会制民主主義、基本的人権の尊重などの基本原理を変質させ、破壊する性格の強いものです。そのような改憲を断じて許してはなりません。

私たち、「安倍改憲NO!市民アクション・いしかわ」は、県民世論を喚起し、安倍改憲を葬り去るために、「改憲素案」に抗議し、声明とします。
2018年4月12日
安倍改憲NO!市民アクション・いしかわ

 

カテゴリー: トピックス, 人権, 住民の暮らしに直結する課題, 全国・中央・北信越, 反基地, 反戦・平和, 護憲・憲法改悪反対・教育・歴史, 護憲・憲法改悪反対 | 政府の日本版海兵隊「水陸機動団」新編と 自民党改憲素案の危険性に抗議 はコメントを受け付けていません

沖縄県辺野古闘い 近況報告 その2

沖縄県内の近況報告 その2

2018年4月5日

➀防衛省は3月23日、米軍再編交付金を名護市へ交付することを決定した。当選した市長は新基地建設への賛否を明らかにしておらず、それにもかかわらず交付するようです。市長も受け取ることを表明しました。この市長は市議時代から基地建設に積極的で、賛成していました。あの危険なオスプレイにも試乗して、米政府の片棒を担いできた人物です。今後ますます我々と対決する場面が多くなりそうです。
➁国際自然保護連合で海洋保護を担当するフランソワ・シマールさんが3月23日、辺野古を訪問し、新基地建設が進む辺野古の沿岸や大浦湾をグラスボートで約2時間視察しました。シマールさんは「工事による生態系への影響は必ずある」と指摘しています。
➂岩礁破砕の裁判で県は23日、控訴したとの報道がありました。これは、県知事の許可のない岩礁破砕は違法だとして、県が工事の差し止めを求めていましたが、3月13日那覇地裁が却下したことを受けてのものです。裁判で県はガンバレ!そして知事は一刻も早く「撤回」の決断をしてください。
➃3月23日、アメリカのワシントン市で、海外米軍基地反対連合が、日本大使館前で「山城氏の判決破棄を」求めるデモを行いました。この行動には、米国在住沖縄県民、ベテランズ・フォー・ピース(退役軍人)、コード・ピンク(女性中心の平和団体)が参加したと地元紙に報道されています。
➄宜野湾市の普天間第2小学校の児童らを元気づけるために、校庭で「雪遊び」を体験する行事が3月25日にありました。ところが、雪遊びを楽しむ児童をあたかも妨害するかのように、米軍ヘリがグランドの真上を飛行し、児童らが避難する騒ぎとなりました。イベントが開かれていた最中に5回も米軍ヘリの飛行によって、イベントが中断されたとのこと。
空から雨だけが降ってくるものではないことを身をもって体験した児童たちに追い打ちかけるような米軍の飛行に断固抗議する!
➅県内2紙は3月26日の報道で、沖縄周辺海域に設定される米軍の臨時訓練空域(アルト・ラブ)が、ここ2年間で、常時提供状態になっていると報じました。このことは、那覇空港に離発着する民間航空機が、非常に危険な飛行を余儀なくされていることが続いていることを示し、重大な問題です。
沖縄の友人から那覇空港についたところで、「ご無事でおいでくださった」と声をかけられたことがありますが、この言葉が、米軍優先、軍事優先の実態を示しているのでしょう。戦後72年間もこのような状態が続くことは許せず、1日も早く解消させたいものです。
➆嘉手納町議会は3月27日定例会で、米軍嘉手納基地の騒音激化とF15戦闘機の部品落下事故に対する二つの抗議決議と意見書を全会一致で決議しました。人命を無視した訓練には、訓練がゼロになるまで抗議を続けよう!

沖縄だよりNo.49(PDF)

カテゴリー: PEACE石川(機関紙), トピックス, 人権, 住民の暮らしに直結する課題, 全国・中央・北信越, 友誼団体, 反基地, 反戦・平和, 教育・歴史, 文化・芸術, 護憲・憲法改悪反対・教育・歴史, 護憲・憲法改悪反対 | 沖縄県辺野古闘い 近況報告 その2 はコメントを受け付けていません