抗議声明 トリチウム汚染水(ALPS 処理水)の海洋放出に反対する

抗議声明
トリチウム汚染水(ALPS 処理水)の海洋放出に反対する

2021 年 4 月 13 日
石川県保険医協会
会長 三宅 靖

東京電力福島第一原子力発電所の事故発生から 10 年を迎えたが、県や周辺地域の復興は道半ばであり、今なお避難生活を強いられている人が多数存在する。加えて、新型コロナウイルスの影響により更なる暮らしの不安が広がっているが、それでも復興への懸命な努力が続けられている。
こうしたなか、政府が本日の関係閣僚会議で、東電福島第一原発のタンクにたまる汚染処理水の海洋放出を正式決定したことに、驚きと怒りを隠せない。
この処理水にはトリチウムとその他の放射性物質が残存すると言われているが、ALPS で除去しきれないトリチウム以外の放射性物質が 7 割のタンクで残存していることも報道で明らかにされている。一方、その処分方法をめぐっては昨年 2 月に政府の小委員会が基準以下の濃度に薄めて大気放出か海洋放出する案を報告書にまとめ、政府は海洋放出が現実的との結論を出していた。
これに対し、漁業関係団体は猛反対し、福島県では県議会のほか 7 割を超える市町村議会で反対や慎重な対応を求める意見書や決議が採択されている。また、政府が行った意見聴取でも、様々な団体・個人から多数の反対・慎重意見が寄せられていた。
海洋放出は、環境や人体への影響だけでなく、地場産業などに与える影響も計り知れない。
東電は、放射性物質の濃度を法令基準以下になるまで希釈するというが、希釈するにしても放射性物質による海洋汚染は免れず、原発事故の被害を増幅させることにつながる。
また、政府の小委員会は先の報告書の中で、「国民の理解の促進を図り、具体的な風評被害対策を示すことが重要である」と注文を付けていたが、政府は先送り以降、この努力すら怠っている。地元・国民軽視、民主主義に反して行われる海洋放出決定は、決定プロセスの観点からも容認できない。
そもそも、本当に海洋放出しか選択肢がないのか。福島第一原発の敷地内には、廃炉作業に活用する予定がない場所があり、タンク保管敷地を広げることは可能と言われている。トリチウムの半減期は 12、3 年であり、陸上での長期保管には放射線量を低減させる利点もある。汚染拡大を防ぎ、漁業をはじめとする産業を守るためにも、陸上長期保管が合理的選択と言えよう。
以上、石川県保険医協会は命と健康を守る医師・歯科医師の立場から、トリチウム汚染水の海洋放出に断固反対し、決定の撤回を求める。

石川県保険医協会ホームページより無断転載

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福島第一原発のALPS(多核種除去設備)処理汚染水 海洋放出問題についての緊急声明

原子力市民委員会ホームページより無断掲載
2021年4月11日
福島第一原発のALPS(多核種除去設備)処理汚染水
海洋放出問題についての緊急声明
原子力市民委員会
座  長:    大島 堅一
座長代理:    満田 夏花
原子力規制部会長:後藤 政志

福島第一原発のALPS(多核種除去設備)処理汚染水について、政府は4月13日にも、海洋放出による処分を決定すると報道されている。
原子力市民委員会は、以前より汚染水は海洋放出すべきではなく、堅牢な大型タンクによる陸上保管の継続か、モルタル固化による処分を選択すべきであると提言してきた。その後、政府および東京電力は、私たちが指摘してきた問題点を考慮することもなく、また、私たちが提案してきた有効な代替案を具体的に検討することもなく、海洋放出を決定しようとしている。このことについて、原子力市民委員会は強く抗議する。
今回、汚染水海洋放出を決定しようとしていることには、さしあたって次の5つの問題を指摘する。

1.社会的な合意形成の手続きが踏まれていない
ALPS小委員会の「海洋放出が現実的」とする報告書が公開されて以降、一般市民が意見を言えるような公聴会は開催されておらず、政府が「関係団体」として指定した団体の代表42人の意見が聴取されたのみである(しかも42人中、41人が男性である)。パブリック・コメントは集められたものの、きわめて形式的な手続きにとどまり、一般から提起された懸念や提案された代替案については、何ら議論されていない。

2.トリチウムは放射性物質であり、環境への放出は厳に避けるべきである
政府は、トリチウムの環境や生体への影響を軽視しているが、トリチウムの有害性を指摘する研究報告は少なからずある。各国でのトリチウムの規制値にも幅があるが、その規制値は、原子力施設の稼働を前提としたものであり、それ以下であれば安全性が確認された値と理解するべきではない。
政府は、トリチウムの年間放出量を22兆ベクレル以下にするとしている。しかし、これは、福島第一原発における事故前の放出管理目標値(上限)であり、実際の放出実績は、年間約2兆ベクレルであった。つまり、福島原発事故前に、発電にともなって放出していたトリチウムの10倍の量を、放出し続けようとしているのである。
政府および東京電力には、福島原発事故によって、大量の放射能を環境に放出した責任がある。その上で、現状はタンクで保管されている放射性物質を環境中に意図的に追加放出し、再汚染をもたらすこと自体、断じて許されない。
なお、東京電力は、処理水を海水で薄めて、トリチウムの濃度を1,500ベクレル/L以下にするとしている。これは、地下水バイパスからの排水の運用基準と同様である。これをあたかも、トリチウムの排出基準である6万ベクレル/Lの40分の1であるというような言説が流布されている。しかし、これは完全にミスリーディングである。
1,500ベクレル/Lとするのは、規制基準の40分の1にするのではなく、規制上満たさなければならない要求である。地下水バイパス・サブドレンからの排水の運用を決める際、福島第一原発の敷地内には、排水以外に考慮すべき放射線源があり、敷地境界線上1mSv/年という法令を遵守するためには、排水に割り当てられるのはその約2割とされた。その上、排水中に含まれるストロンチウム90などの放射性物質の存在を考慮すると、トリチウムに割り当てられるのは1,500Bq/Lとされた。これが1,500ベクレル/Lとする経緯である。こうした経緯について、経産省、原子力規制庁、東京電力は国民に正しく説明すべきである。

3.海洋放出を決定しても、数十年におよぶ長期間のタンク保管は避けられない
大量の汚染水タンクの存在が風評被害の要因であるとの指摘や、タンク保管の長期化にともなう老朽化や災害時の漏洩リスクなどが、早期の海洋放出決定への口実とされている。しかし、政府の計画に基づいて海洋放出をするとしても、汚染水(現時点でのトリチウム総量856兆ベクレル)の全量を放出するまでに40年の期間を要する。その間、タンクによる長期保管は不可避であり、汚染水タンクの耐久性、耐震設計、維持管理等の問題が、海洋放出によっては解消されない。

4.汚染水対策を含む「廃炉」方針および工程の技術的な見直しが不可欠である
汚染水が増え続け、タンクを増設する敷地が足りないことが海洋放出の理由とされている。しかしそれは事実ではない。私たちは次のように、現実に実行可能な技術的代替策について、これまで繰り返し提言してきた。
・汚染水については、堅牢な大型タンクによる保管継続か、モルタル固化処分が現実的かつ合理的である。政府は大型タンクからの漏洩リスクについて指摘しているものの、石油備蓄タンクなどの設置・運用実績から、十分な信頼性がある。
・デブリの取出しを前提として、そのための敷地を確保することが、タンクを増設できない理由とされている。しかし、デブリの取出しは技術的にも費用的にまったく見通しが立っておらず、無理にすすめるべきではない。
・汚染水の増加を防ぐためには、デブリの空冷化を早期に実現すべきである。
・デブリを含む事故炉を「外構シールド」で覆い、放射能の拡散を防ぐ「長期遮蔽管理」に移行すべきである。

一方、2月13日に発生した福島県沖を震源とする地震により、汚染水タンクが横ずれし、配管が損傷した事故から、そもそも汚染水タンクを基礎に固定していなかったことが発覚した。これは、この規模のタンクの施工事例からは考えられない設計・施工ミスであり、これを正当化している東京電力や、問題視していない政府、原子力規制委員会の基本的な技術力を疑わざるを得ない。
福島第一原発の後始末が長期にわたることは間違いない。現存する汚染水を、堅牢かつ十分な耐震設計の施された大型タンクに移送するような対策は、当面の応急措置としても不可欠である。

5.復興を妨げている最大の要因は、政府および東京電力への不信である
本来は別の問題である「復興」と「廃炉」の「両立」を強調する政府の主張は、廃炉の困難さを指摘する主張を、「復興を妨害する」ものとして切り捨て、自らの責任を他者に転嫁している。
関係者との意見交換、パブリック・コメントでの多数の反対・慎重意見を無視して、海洋放出を正当化する根拠として「復興」を掲げることは、現場で日々復興のために従事してきた漁業関係者、関連事業者を含む市民の地道な営みに対する暴挙であると言わざるを得ない。
政府・東京電力は、問題を「風評」に矮小化し、魚介類や農産物の安全PRや、販路拡大の支援などで対処しようとしている。根本的な問題は、これまでの政府や東京電力の情報公開や説明が不正確かつ不誠実であったことにある。
信頼の回復には、現実的かつ技術的な裏付けのある政策を、十分な情報とともに示し、理解を得る努力が不可欠である。しかしながら、政府および東京電力のこの間の対応には、その全てが欠けている。
このような状況での海洋放出決定は誤りである。誤った政策であっても、いったん決定されれば変更しない/できないのが日本の原子力政策の特徴である。ALPS処理汚染水海洋放出は行うべきではないし、国民からも到底受け入れられないであろう。

以上
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放射能汚染水の「海洋放出」方針決定に断固反対する

放射能汚染水の「海洋放出」方針決定に断固反対する

2021年3月6日、菅義偉首相は、東京電力福島第一原発のタンクにたまり続けている処理水(放射能汚染水)の処分をめぐり「いつまでも決定をせずに先送りはすべきでない。政府が責任を持って適切な時期に方針を決定したい」と表明し、4月7日、全国漁業協同組合連合会(全漁連)の岸宏会長と会談した。菅首相は「海洋放出が確実な方法であるという専門家の提言をふまえ、政府の方針を決定していきたい」と伝えたが、岸会長は「絶対反対との考えはいささかも変わらない」と答えた。来週・13日には、関係閣僚会議を開催し「海洋放出」方針決定すると言われている。

2020年2月、有識者による政府の小委員会は「海洋放出」と水蒸気にして空気中に放出する「大気放出」を提示し、海洋放出を「より確実」とする報告書をまとめたが、放射能汚染水の扱いについては「現地や関係業界と丁寧に議論をして、国民的な合意ができたら政府が決定する」とした。しかしながら、その後、まともな議論も行われず、福島県民合意・国民合意もないまま、問答無用で処分について方針決定することは、再び放射能による被害を招くことになる。

何よりも、2015年1月7日に開催された「第6回廃炉・汚染水対策福島協議会」の場において、経済産業省の糟谷廃炉・汚染水対策チーム事務局長補佐は「(ALPS処理水について)関係者の方の理解を得ることなくしていかなる処分もとることは考えておりません」と答弁し、経済産業省は、福島県漁連へ「関係者の理解なしにはいかなる処分も行いません」(2015年8月24日付)と文書回答したことを忘れてはならない。「海洋放出」することは、政府が福島県民や国民に約束したことに違反することになる。

地元・福島県漁連の野崎哲会長も「『海洋放出』に反対の姿勢は変わらない」としており、県民も生産者の多くも反対の声をあげている。福島県内59市町村のうち約7割にあたる41市町村議会が、「海洋放出」に反対または慎重な対応を求める決議や国への意見書を採択している。経済産業省が公募したパブリックコメントでは、放射能汚染水の安全性に対する懸念、陸上保管などの処分方法の見直し、合意プロセスへの懸念などが寄せられ、「海洋放出」に対して否定的なものが占めていた。多くの問題を抱え、解決方法が見いだせないまま、関係閣僚会議において「海洋放出」を方針決定することは許せない。

東日本大震災後、福島沿岸の漁業は一時自粛を余儀なくされた。漁業者は、2012年6月から、漁の回数や漁獲量を大幅に抑える「試験操業」を行ってきた。水揚げのたびに、放射性物質検査を行って安全を確認し、水産物の市場価値を慎重に調査してきた。2021年3月「試験操業」は終了した。数年後の本格操業をめざして、水揚げを震災前の水準へ戻そうと、徐々に漁獲量を増やしていくために歩み始めたばかりだ。「海洋放出」方針決定により、風評被害が起きれば、水産業関係者がこれまで地道に積み重ねてきたさまざまな努力が水泡に帰することになる。再び水産業関係者の生活や希望を奪い去ることになる「海洋放出」方針決定は、絶対に許されるものではない。

また、放射能汚染水を「海洋放出」することは、将来的に地球規模での海洋汚染・環境破壊につながることを懸念し、「海洋放出」方針決定に反対・批判の声が海外からも原水禁に寄せられた。

原水禁は「海洋放出」方針決定することに断固反対する。貯蔵タンクの増設、新たな保管場所の確保など「海洋放出」ではなく、これまで同様陸上保管することを強く求める。

 

2021年4月9日

原水爆禁止日本国民会議

議長 川野 浩一

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フクシマ原発事故10周年に際し ~10年前、小中高生の声~

当時13歳(中学生)M君 「本当の平和とは」   ◇  福島民報より  ◇

    平和とは、戦争や紛争がなく、世の中が穏やかな状態にあること、心配やもめ事がなく穏やかであること、と辞書には書かれてある。私は戦争を経験したことはないけれど、九十五歳のひいじいちゃんは戦争を経験しているので、歴史が好きな私は今まで何度か話を聞かせてもらった。涙を浮かべて話してくれるひいじいちゃんの様子から、私が話を聞いて想像する以上に悲しく、つらく、苦しいことがあったのだということが伝わってきた。昨年、東日本大震災があり、ひいじいちゃんは原発事故の影響で避難した。自宅には帰られず、今は仮設住宅で暮らしている。ひいじいちゃんはもともと、とても元気だったけれど、少しずつ元気がなくなってきているのが会いに行くたびに分かった。戦争と同じくらいに、心がとてもつらいんだと思った。平和とは戦争がないことだけでなく、今まで当たり前にしてきた穏やかな暮らしそのもとだと思った。一日も早く、その日が来てほしい。

当時11歳  S君(伊達市)「悲しい気持ち」

    福島第一原発が爆発してとんできた放射性物質。放射性物質のせいで、外での活動が禁止になってしまった。外の活動が禁止だから小学校生活最後の水泳大会や運動会、こてきパレードなどの楽しい行事も全てなくなってしまった。さらに暑いのに窓も開けられない。こんな厳しい生活をしているのに原発の方は何をしているのだろうか。屋内でも遊びはできるという意見もでてくると思うが、そうではない。ぼくや他の人たちはみんな外で遊びたいと思っているはずだ。一年生は、一回も学校の外で遊んでいない。そういう悲しい気持ちを分かってくれないのか。原発は何十年も使っているのに、なぜ止めなかったのだろうか。原発はもう全て止めていてほしい。そして二度と原発をつくらないでほしい。

当時18歳  H君(福島市) 「放射能対策、政府は急いで」

   東日本大震災から四カ月がたちましたが、福島県民はいまだに放射線という不安の中で生きています。高校生の私たちは、将来への影響が心配で仕方がありません。通学でも部活でも多くの放射線を浴びて、本当に大丈夫なのか。一年後、五年後、十年後、本当に大丈夫なのか。政府の曖昧な説明では、それすら分かりません。高校生の私がこんなに不安なのです。小さな子どもたちはどれほど苦しんでいるのでしょうか。テレビで、赤ん坊を抱いた母親が避難を決意して泣いているのを見ると、胸が痛みます。暑い中、長袖を着てマスクをした小学生を見ると、放射線の恐ろしさを思い知ります。私は小さな子どもたちは早く避難すべきだと思っています。でもさまざまな事情で避難をためらうのも分かります。政府は何をしているのでしょうか。将来後悔する親子が出ないように、放射線を減らす工夫、避難の援助をすべきです。

 

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「重要土地等調査法案」に反対する平和フォーラム見解

2021/3/26

「重要土地等調査法案」に反対する平和フォーラム見解

フォーラム平和・人権・環境

事務局長 竹内 広人

 3月26日、政府は「重要土地等調査法案(重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律案)」を閣議決定した。法案は、原子力発電所や基地などの「重要施設」の周辺区域の土地が「機能を阻害する行為の用に供される」ことを防止するために制定するとされており、適用区域として「注視区域」と「特別注視区域」が設定される。

 「注視区域」と「特別注視区域」については、政府に利用実態の調査権限が付与され、調査結果をふまえて、対象施設の機能を阻害する行為に利用される恐れがあると判断された時には、政府は中止勧告・命令ができる。またこれに加え、「特別注視区域」では、一定面積以上の土地売買に、利用目的の事前届け出が義務付けられる。従わない際は2年以下の懲役か200万円以下の罰金が科され、虚偽申請にも罰則が設けられる。

 また、法案では、具体的な規制区域や必要とされる個人情報の提供などについて、政令や告示で個別指定されることとなっており、恣意的に運用される危険性をはらんでいる。特に、「特別注視区域」に指定された区域では、「事前届出」の際に、政令で調査項目が歯止めなく拡大することが懸念される。基地や原発周辺1㎞の規制範囲に居住する市民や平和団体事務所等の所有者について、政府が職歴や戸籍などと照合して、思想・信条に立ち入る恐れがある。

 以上の通り、この法案は、日本国憲法第29条で保障された財産権を侵害しかねない内容となっているばかりでなく、個人情報の過度な調査によって、基本的人権そのものを侵害しかねない内容となっており、問題である。私権制限は最小限であるべきで、安全保障をことさら持ち出し、国民の権利に過度な制約をかけるべきではない。

  今後、国会において、「重要土地等調査法案」の審議が行われることとなる。平和フォーラムは、本法案に反対し、立憲野党と連携しながら、廃案を求めてとりくみを進めていく。

以 上

 

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東海第二原発運転差し止め判決に対する原水禁声明

東海第二原発運転差し止め判決に対する原水禁声明

3月18日、首都東京に一番近い原発である日本原子力発電(原電)の東海第二原子力発電所(茨城県東海村)について、水戸地方裁判所(前田英子裁判長)は再稼働を認めない判決を言い渡しました。

判決では、原発事故が起きた際に、住民を避難させるための避難計画や防災体制が、十分整えられていないことを理由に、運転の差し止めを認める初めての司法判断を示しました。判決は、原発を動かす以上、住民の生命を確実に守る必要があるという重要な課題を突きつけています。それは当然、他の原発においても避難や防災の実効性の再検討を求めるものです。

東海第二原発では、原発から半径30km圏内に94万人が暮らし、原発で重大な事故が起きた際に、確実かつ安全に避難させることができるかが問題となっていました。

判決では「30km圏内の住民が避難できる避難計画と体制が整っていなければ、重大事故に対して安全を確保できる防護レベルが達成されているとはいえない」とし、「避難計画の策定は、14市町村のうち避難が必要な住民が比較的少ない5つの自治体にとどまっていて、人口の多い水戸市などは策定できていない。5つの自治体の避難計画も複合災害の課題をかかえている」と指摘しました。そのうえで、現在策定された避難計画も不十分として「実現可能な避難計画や実行できる体制が整えられていると言うには程遠い状態で、防災体制は極めて不十分だと言わざるをえない」と、東海第二原発の再稼働を認めませんでした。「避難・防災」体制の不備が住民に具体的危険がおよぶとして、差し止めの判断を下したことは画期的であり、他の原発訴訟に大きな影響を与えるものです。

一方で、原告が主張した「地震」や「津波」「火山噴火」などについて、「規制委員会の審査に見過ごせない誤りや欠落があるとまでは認められない」としたことには、絶対に承服できません。同日、広島高等裁判所では、伊方原発訴訟に対する四国電力の異議審において、巨大噴火や活断層の存在の可能性を退けた判決が下されました。自然災害のリスクを矮小化し、住民の安全を顧みない姿勢は、福島原発事故を経験した日本社会に、決して受け入れられるものではありません。

これまで原発は、多重防護を前提に過酷事故など絶対に起こらないとしてきました。それが「安全神話」につながり、2011年3月11日の東日本大震災・福島第一原発事故を起こしたと考えます。多重防護が自然災害によって打ち壊された際の最後の砦が、第5層の防災体制であり、そこには実行性ある避難計画の策定が求められます。

日本では防災計画の策定は、自治体に求められていますが、狭隘な国土に人口が密集する日本においては、実効性のある避難計画の策定は、現実的に不可能と言わざるを得ません。そのことを無視し、原発の再稼働を強行することは、今回の裁判でも指摘されているように、住民の「人格権」を侵害するものでしかありません。

原水禁は、原電に対して、避難計画が現実的に不可能なことを認め、再稼働を追及せず、すみやかに東海第二原発の廃炉に踏み切ることを求めます。

2021年3月19日

原水爆禁止日本国民会議

議長 川野 浩一

 

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「福島原発事故から10年」(原水禁アピール)

2011年3月11日の東日本大震災・福島原発事故から10年が経過しました。

東日本大震災・福島原発事故により、お亡くなりになられた方々に心から哀悼の意を表します。また、今もなお、かつての生活を取り戻せず、苦難の日々を過ごされている方々にお見舞い申し上げます。

福島原発事故の廃炉・収束作業は、10年が経過しても、約880トンと言われている溶融した核燃料、デブリの全貌は把握できていません。2021年中の予定とされていたデブリ取り出し開始が断念されるなど、廃炉に向けての作業は、高線量の放射線に阻まれ、困難を極めています。事故収束に向けて、最大の問題であるデブリ取り出しの具体的な工法も見えず、山積する課題に、事故後30年から40年とされた廃炉作業の「完了」は、全く見通しが立たない状況にあります。

たまり続けるトリチウムなどの放射性物質を含む汚染水(ALPS処理水)は、現在約124万立方メートルとなり、日本政府は「海洋放出」によって処分しようとの見解を発表しています。「海洋放出」ありきの議論は、福島県民・漁業従事者などを置き去りにしてすすめられています。復興に向けた、これまでの福島県民をはじめとする多くの方々の努力を水泡に帰きすような事態が想定されます。

事故から10年が経過しても、福島県では県内に7,185人、県外に2万8,505人、避難先不明者13人の合計3万5,703人(2021年2月8日復興庁調査に基づく、3月5日現在の被害状況即報[福島県災害対策本部発表])が、長期の避難生活を余儀なくされています。また、福島県内の震災関連死と認定された人は2,320人[同発表]で、前年度より13人増えています。一方、政府は、避難者の実情を考慮することなく、「帰還困難区域」の指定を解除し、補償の打ち切りや帰還政策をすすめています。被災者を社会的・精神的・経済的に追い詰め、切り捨てていく政策は決して許せません。

事故の責任の所在もあいまいなまま10年が経過しました。いくつかの裁判において、国・東京電力(東電)の責任を認める判決が出されましたが、国・東電は、その責任を果たしていないのが現状です。

東京オリンピック・パラリンピック開催に向けての「復興」のかけ声の中、事故を「風化」させ、なかったものにしようとの企図が見え隠れします。事故から10年が経過しましたが、原因究明や責任追及が終わった訳ではありません。避難者が全て帰還できたわけではありませんし、失われたコミュニティーが全て再建されたわけでもありません。そして廃炉作業が終了したわけでもありません。事故は終わっていません。今も続いていることを私たちは胸に刻むべきです。

日本政府は、脱原発を決断せず、原発再稼働をすすめ、核燃料サイクル計画を推進し、事故以前と変わらない姿勢に終始しています。そのことが、再生可能エネルギーの進捗を拒んでいます。しかし、原子力をめぐる環境は、この10年で大きく変化しました。事故当時54基あった原発は、事故後21基が廃炉となり、新規原発は立ち上がっていません。原子力政策の要と言われた核燃料サイクル計画も、高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉などによって政策の破綻は明らかです。今や原発は「廃炉の時代」を迎えています。

 原水禁は、一貫して「反原発」「脱原発」を掲げて運動をすすめてきました。私たちの力がおよばず福島原発事故を許してしましましたが、今後の第2・第3のフクシマを止めなければなりません。原水禁は、一刻も早い脱原発社会の実現に向けて、さらなる努力を重ねることを「3.11」に改めて誓います。

2021年3月11日

原水爆禁止日本国民会議

議長 川野 浩一

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さようなら原発1000万署名 三次提出432,877筆(合計8,811,877筆)

3/5提出しました。

http://gensuikin.peace-forum.com/2021/03/10/20210305sayounra-signature/  原水禁

432,877筆(合計8,811,877筆)

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「審査ガイド」パブコメ無用発言に抗議する

原子力規制委員会委員長 更田豊志 様3月3日の原子力規制委員会において更田委員長は、審査ガイドに関するパブコ
メは必要ないと発言した。そればかりか、審査ガイドは参考に過ぎず、審査官ば
かりでなく、申請者もそれに縛られるべきではない、ガイドの規範化が福島事故
を招いたのだと暴論を吐いた。地震動審査ガイド、火山ガイド等、あらゆるガイ
ドの改定においてパブコメを廃止しようとするものだ。これは福島事故の教訓を
踏みにじり、司法や国民の監視・チェックを拒否して原子力村独自の壁を築こう
とするものである。このような姿勢に強く抗議する。この発言は、議題4「規制基準等の記載の具体化・表現の改善について」の中で
出されている。そこでは、今回は見送りになったものの、昨年12月4日大阪地
裁判決が依拠した地震動審査ガイドの「ばらつき条項」の表現を「誤解を招くた
め」変える事項も含まれている。司法の批判にまともに応えるのではなく、ガイ
ドの表現を変えることによって批判から逃れようとする意図が見えている。この判決に関連して更田委員長は昨年12月9日記者会見で、審査ガイドは「サー
ビス」的なものとの趣旨を述べた。しかし、地震動審査ガイドの目的は、審査官
等が基準に関する規則並びに規則の解釈の「趣旨を十分踏まえ、基準地震動の妥
当性を厳格に確認するために活用すること」と明確に規定されている。基準規則
(地震による損傷防止は4条)の記載は抽象的なので、審査ガイドによって具体
的内容が示されないと審査は成り立たない。
この地震動審査ガイドは、福島事故を受けて13回にわたる検討小委員会での審議
を経て策定され、パブコメを経て確定されたものである。このガイドに審査官が
縛られるべきでないというだけでなく、規制される側の申請者も縛られるべきで
ないとは、これでは規制が成り立たないのは明らかである。

3月3日の委員会では、更田発言に田中委員と山中委員が追随し、他の委員は沈
黙したままであった。福島事故から10年目を迎えたこの時点で、事故の教訓が踏
みにじられようとしていることにわれわれは強く抗議する。

要 請 事 項
1.審査ガイドのパブコメ無用論は撤回し、これまで通りにパブコメを実施する
こと。
2.地震動審査ガイドの「ばらつき条項」の改定方針を撤回すること。

よびかけ おおい原発止めよう裁判の会/原子力規制を監視する市民の会/原
力資料情報室

…※「志賀原発を廃炉に!」訴訟原告団が団体署名しましたので掲載しました。
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ミャンマー軍事クーデターに抗議する(声明)

民主主義を護れ!ミャンマー軍事クーデターに抗議する(声明)

    ミャンマーの国会にあたる連邦議会が開催される予定だった2月1日、国軍部隊によって、ミャンマーの最高指導者アウンサンスーチー国家顧問、ウィミン大統領など国民民主連盟(NLD)の幹部ら多数の関係者が拘束されました。直後、国軍は非常事態宣言を発令し、最高司令官のミン・アウン・フライン将軍が権力を掌握しました。
アウンサンスーチー国家顧問は、約15年にもおよぶ軍事政権による自宅軟禁生活から2010年に解放されると、2015年の総選挙で率いるNLDが圧倒的勝利を得て、政権を獲得しました。2020年11月の総選挙においても、NLDは圧勝しました。このような国民の選択と民主的手続きによって成立した政権を、軍事クーデターという暴力によって倒す暴挙を、私たちは決して許すことができません。
クーデター直後から、ミャンマー国民は「我々は決して軍靴の下にひざまづかない」として、大規模デモや公務員を含む幅広い職種における軍事政権の統治機能を無力化しようとの「不服従運動」を展開しています。これに対して、軍事政権は暴力による弾圧を加え、2月末現在で発砲による犠牲者は少なくとも9人、負傷者も多数に上り多くの国民が拘束される事態となっています。しかし、国民の抵抗が止む兆しはありません。
NLD政権下で任命されたチョー・モー・トゥン国連大使は、2月26日国連総会で演説し、抵抗を続ける考えを明らかにし「ミャンマー軍に対して行動を起こすために、あらゆる手段を使うべきだ」と国際社会に訴えました。国連のグテレス事務総長は「クーデターが失敗に終わるよう全力を尽くす」と述べています。米国のバイデン大統領は「市民の抗議拡大に伴い、平和的権利を行使している人たちへの暴力は容認できない」として軍政関係者への制裁措置を科すとしました。欧州連合(EU)も同様の措置を表明しています。
日本国内においても、在日ミャンマー人らが軍事政権に反対し国際社会の助力を求めて集会を開催しています。私たち「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」は、日本政府に対して、暴力を手段として民主主義による国民の選択を踏みにじるミャンマー軍事政権を許さず、米国やEU諸国などの国際社会と足並みをそろえて行動するよう求めます。
近年、中国やロシアなどの大国において、ベラルーシやアラブの春から10年を経たエジプトなどにおいて、政権による民主主義勢力への弾圧が顕在化しています。日本国内においても、反対する沖縄県民の声を無視し新基地建設を強行するような権力の横暴が目立っています。民主主義は、多くの人々が自らの血を流しながら獲得してきた人類の財産といえるものであり、その脆弱な立場をふまえた私たちの不断の努力を求めています。私たちは、日本国憲法13条「個人の尊重」を基本に、民主主義を護るために闘っている世界の多くの人々と連帯して、全力でとりくんでいくことを改めて決意するものです。

2021年3月1日
戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会

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