プルサーマル反対で北陸電力本店へ申し入れ(6月29日)

2010年6月29日

北陸電力株式会社
取締役社長 久和 進 様

ストップ!プルサーマル・北陸ネットワーク
共同代表 田 尻   繁
盛 本 芳 久
柚 木   光
堂 下 健 一
中 垣 たか子

申  入  書

 2015年度までにプルサーマルを導入すると表明してきた貴社は昨日、石川県と志賀町に対し、安全協定にもとづくプルサーマルの事前了解願いを提出しました。久和社長は就任以来、人為ミス続発で定期点検に7ヶ月を要した2号機の「安定運転」の実績の積み重ねが第一と繰り返し述べており、営業運転開始からわずか4ヶ月余りでの申し入れは、安全無視、住民不在、極めて拙速な申し入れと言わざるをえません。エネルギー政策として意味をなさず、原発の危険性をさらに高めるだけのプルサーマルは絶対に認められません。下記項目について回答を求めます。

1.以下の重大な問題が山積する中、事前了解願いを撤回し、プルサーマルを断念すること。

2.貴社が現在保有するプルトニウムは、電源開発株式会社への譲渡分を差し引くと49kg、イギリスにある使用済み燃料が再処理されたとしても、あわせて150kg程度であり、他の原発のプルサーマル実施による年間プルトニウム利用量を下回ります。青森県六ヶ所村の日本原燃再処理工場の竣工見通しが立たない中、志賀原発におけるプルサーマルの見通しを明らかにしてください。

3.貴社のホームページではプルサーマルの安全性に関して、「ウラン・プルトニウム混合燃料は、基本的にはウラン燃料と差はありません」と書かれています。しかし、設計時に想定されていなかったMOX燃料を装荷することによって、原子炉を制御する制御棒の効きの低下や燃料棒破損など、様々な危険性が増えることは貴社も認めており、矛盾した記載です。MOX燃料とウラン燃料の違いを否定し、安全性論議を封印する姿勢は、臨界事故隠しで厳しく批判された貴社の安全軽視の体質と言わざるをえません。種々講じられる対策が妥当かどうか、さらには安全余裕が確実に削られる中で、果たして原発の安全が確保されるのかどうか、今後、国の安全審査の中でも議論されますが、この矛盾について貴社の見解を明らかにしてください。

4.使用済みMOX燃料の処理・処分方法が全く決まっていません。プルサーマルを見切り発車で実施した場合、使用済みMOX燃料は志賀原発敷地内で保管し続けることになるのではないかと思われますが、見通しを具体的に明らかにしてください。

5.貴社はプルサーマルを「ウラン燃料のリサイクル」と称していますが、プルサーマルでは使用済み燃料の中に含まれる1%のプルトニウムが利用されるだけです。そのために再処理やMOX燃料加工、使用済みMOX燃料の処理・処分などの巨大な施設を建設し、莫大なエネルギーが投入されます。リサイクルで資源の節約と言うからには、正味の資源節約効果を数値で明らかにしてください。

6.貴社はプルサーマルを「ウラン燃料のリサイクル」と称して、使用済み燃料の95~97%の再利用が可能としていますが、93~95%を占めるウラン238の再利用の見通しを明らかにしてください。

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