北陸電力プルサーマル申し入れに対する抗議声明(6月28日)

抗議声明

 北陸電力は本日、石川県と志賀町に対し、安全協定にもとづくプルサーマルの事前了解願いを提出した。
 そもそもプルサーマルは、核燃料サイクル計画が破綻したために生じた余剰プルトニウムを、苦肉の策として既存の原発(軽水炉)で燃やす発電方法であり、国策の失敗の隠れ蓑以外の何ものでもない。電力供給にとっては何ら意味をなさないものであるばかりか、ウラン燃料用に設計された原発でプルトニウムを燃やすため、危険な原発をさらに危険にするものである。
 北陸電力の久和進社長は就任以来、人為ミス続発で定期点検に7ヶ月を要した2号機の「安定運転」の実績の積み重ねが第一と繰り返し述べてきたが、営業運転開始からわずか4ヶ月余りしか経過していない。しかも、実施を予定する1号機は1999年6月、臨界事故を起こし、その構造的欠陥はなんら解決されないままである。
本日の申し入れは、国策追随、住民不在、安全無視の申し入れと言わざるをえない。北陸電力は申し入れを撤回し、プルサーマル計画を中止すべきである。

申し入れを受けた県、志賀町は自治体としての責任が大きく問われている。プルサーマルの申し入れを受けた全国各地の自治体では、県民説明会や賛成・反対両派によるシンポジウムの開催など、広く情報を公開し、民意を吸い上げるためのとりくみがなされている。
この間、志賀原発の事故・トラブル・不祥事は数知れず発生しているが、県や志賀町は、その都度、国の判断に追随するだけの県原子力環境安全管理協議会の判断を受け入れ、北陸電力の実効性のない再発防止策を容認し続けてきた。無責任かつ形骸化したこれまでの原発行政を繰りかえすことはもう許されない。
地域住民にとってのプルサーマルの問題点は、原発の危険性だけではない。使用済みMOX燃料の処理・処分方法が全く決まっておらず、このまま実施をすれば、志賀町は使用済みMOX燃料のゴミ捨て場となりかねないのである。
自治体として受入のメリットがまったくない中、国は地元対策として受け入れ自治体への新たな交付金制度が設けた。受け入れ決定が遅れれば遅れるほど交付金額が減る仕組みとなっている。自治体や地域住民を愚弄する制度である。県や志賀町がこのような旧態依然とした制度を前にして、受け入れに向かって突き進むことのないよう、県平和運動センターは多くの県民と共にプルサーマルの問題点を大きく訴え、志賀原発でのプルサーマル阻止に向け、全力でとりくみを進めていくことをここに表明する。

2010年6月28日

石川県平和運動センター
代 表  柚 木  光

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