志賀2号機停止で北陸電力と石川県に申し入れ(4月7日)

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2008年4月7日

北陸電力株式会社
社長 永 原  功 様

申  入  書

 
全国の多くの市民が再起動に反対し、抗議の声をあげる中、貴社は3月26日、志賀原発2号機の再起動を強行し、試験運転を開始しました。ところが早くもその1週間後の4月1日午前11時9分、気体廃棄物処理系の水素濃度が異常上昇するという事故が発生しました。貴社は運転を継続する中で原因究明にあたりましたが、原因は解明されず、4月2日午前5時58分、ようやく原子炉停止に向けて出力降下を開始しました。
 2号機は一昨年のタービン損傷と昨年の臨界事故隠し発覚などで約1年9ヶ月停止しており、その間に貴社は全設備の総点検作業をおこない、3月4日には「全設備の健全性を確認した」と発表しました。臨界事故隠しの再発防止対策の策定とその100%実施に加え、この全設備の健全性確認を踏まえて、県や志賀町への再起動の申し入れをおこなったはずです。申し入れの前提はもろくも崩れ去りました。
今回の事故は、原子炉本体ではなく気体廃棄物処理系であるとはいえ、爆発を起こしやすい可燃性ガスである水素ガスにかかわる問題であり、原発の安全対策上、決して軽視できない事故です。警報発生後の貴社の対応も含め、再起動の申し入れを撤回するに値する数多くの重大な問題点をはらんでいると考えます。
そこで、下記項目について申し入れるとともに、回答を求めます。

1.水素濃度異常上昇についての危険性の認識を明らかにすること。

2.原因の徹底究明と、再発防止対策の確立を図ること。

3.安全最優先の企業ルール確立にむけ、実効性のある行動計画を策定・実施すること。
4月1日の警報発生後、原発を停止させることなく原因究明を図り、警報は計9回、しかも計測限界値5%を4回も超えている。4%を超えると水素爆発の可能性があるにもかかわらず運転を継続し続けた貴社の対応は、GW明けの営業運転再開に向けたスケジュール(工程)優先の対応に他ならず、臨界事故隠しの再発防止対策で掲げられた「安全最優先」の大原則は全く根付いていない。
4.隠さない企業風土づくり確立にむけ、実効性のある行動計画を策定・実施すること。
上記の警報の実態が明らかにされたのは、原子炉の停止作業に入った後の4月2日午前10時30分である。住民からの原子炉停止要求が殺到することを避けるため、隠し通したことは明らかである。隠ぺい体質は依存として変わらない。

5.志賀原発の再稼働の申し入れ(3月14日)を撤回すること。
上記3、4から明らかなように、「安全性より行程優先」、「隠す企業体質」は全く変わっておらず、臨界事故隠しの再発防止対策はいまだ達成されていない。「全設備の健全性の確認」も決して万全でないことが明らかとなった。再稼働の申し入れの前提は崩れた。

6.事実関係の公表について
(1)どのような原因調査をしていたのか明らかにすること。

(2)全警報がなった時間と水素濃度の推移を明らかにすること。

(3)警報がなり、しかも水素濃度が測定限界値を超えても、原子炉を止めなくていいという根拠を明らかにすること。

(4)運転を継続しながら調査を続ける判断は誰が行ったのか明らかにすること。

(5)運転停止の判断は誰が行ったか明らかにすること。

(6)復水器内や気体廃棄物処理系内、そして排気筒での放射能濃度を明らかにすること。

(7)プレスリリースの文書は、「出力降下」、「原子炉手動停止」、「原子炉停止」を標題としているが、水素濃度の上昇が問題なのであり、警報についても全く触れていない。原因と結果をはき違えた発表は改めるべきである。

石川県平和運動センター
代表 嶋垣 利春
社民党石川県連合
代表 宮下登詩子
能登原発差止め訴訟原告団
代表 堂下 健一
命のネットワーク
代表 盛田  正
原発震災を案じる石川県民
代表 中垣たか子


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