志賀原発からの撤退・廃炉を求め北陸電力に申し入れ(3月28日)

2007年3月28日

北陸電力株式会社
 代表取締役社長 永原 功 様

石川県平和運動センター
代 表 嶋垣 利春
社民党石川県連合
代 表 宮下登詩子

申 入 書

貴社による8年前の臨界事故とその事故隠しが公表された3月15日、石川県平和運動センターはただちに抗議声明を発表し、「従来の事故とは比較にならない深刻な事故」であり「悪質な隠蔽工作」がおこなわれたと指摘し、貴社には原発を運転する能力も資格もないと断言しました。さらに2日後の17日には福島瑞穂党首をはじめとした社民党の視察団が志賀原発に入り、引継日誌やタイパーなど隠蔽工作を裏付ける資料を入手、マスコミを通じて公表しました。
その後、これまで原子力政策の推進を掲げてきた団体も含め、多く政党や自治体、議会、地元住民組織、労働団体、市民グループなどが相次いで抗議の申し入れをおこないました。いずれの申し入れにおいても、今回の事故が二度とあってはならない大事故であり、地元に対する裏切り行為であるという認識は共通しているようです。
これに対し貴社は、謝罪を繰り返すと同時に懸命に再発防止策の確立、つまり運転再開を模索する方針を訴えてきました。しかし、私たちはこの間に明らかになった事実も踏まえ、下記の理由から、あらためて「運転再開の道はなし」と確信し、原発からの撤退・廃炉を要求するものです。

1.今回の臨界事故とその後の報告義務違反は、明確な保安規定違反です。保安規定違反は原子炉設置許可の取り消し、または1年以内の原子炉の運転停止に該当します(原子炉等規制法第33条)。一方、臨界事故の重大性に悪質な隠ぺい工作も加わり貴社は「原子炉の運転を的確に遂行するに足りる技術的能力」という許可基準(同法24条)を満たさないこともまた明白です。私たちは当然許可の取り消しに該当するものと考えます。
2.石川県や地元志賀町などと締結した安全協定を破った責任も重大です。安全第一を掲げ、些細なトラブルでも通報するように、この間、協定は見直しが重ねられてきましたが、実は2号機の事前了解を得ることしか考えていなかったのです。県民はそういう貴社の姿勢にだまされ続けてきたのです。許せません。住民の生命・財産にかかわる重大な背信行為があった以上、自治体は安全協定に基づき二度と運転再開を認めるようなことがあってはならないと考えます。
3.志賀原発に続き東京電力の福島第一、第二、柏崎刈羽、中部電力の浜岡、東北電力の女川と沸騰水型原発における制御棒の脱落事故が相次いで発覚しました。安全審査で想定されていない重大事故です。国は操作ミス、手順書の誤りで片付けようとしていますが、「操作ミスの防止」によってしか臨界事故を防ぐことができないというという沸騰水型原発の構造的欠陥・弱点が明らかになりました。

3月25日に発生した能登半島地震はM6.9と貴社の想定を超え、地震計データの消失は地震対策の甘さを露呈しました。もはや貴社への信頼はありえません。
以上から貴社に残された「再発防止策」はただ一つ、原子力発電から撤退することだと私たちは考えます。

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