北朝鮮核実験表明に対し抗議声明

朝鮮民主主義人民共和国 
国防委員会委員長 金正日 様

朝鮮民主主義人民共和国核実験に対する抗議声明

朝鮮民主主義人民共和国(以下北朝鮮)は10月9日午前、地下核実験を成功させたと発表しました。
ヒロシマ・ナガサキを知る私たちは「人類と核は共存できない」という立場から、ヒバクシャをはじめ世界各国の核廃絶を願う多くの人々と連帯し、すべての国の核実験、核開発に反対してきました。今回の核実験は私たちに対する背信行為であり、非常に残念であり、許すことはできません。
さらに今回の核実験は、1992年の南北非核化共同宣言、2002年の日朝ピョンヤン宣言、2005年の六カ国共同声明など、北朝鮮自らが表明してきた数多くの誓約を踏みにじるものです。北朝鮮は、今回の核実験が周辺諸国をはじめとした世界の平和と諸国民の生活に大きな不安を引き起こしている事態を認識し、核武装路線をただちに撤回すべきです。

国連では北朝鮮に対する制裁決議が議論されています。しかし、アメリカは約1万発の核兵器を保有し、未臨界核実験を繰り返しています。インドやパキスタン、イスラエルの核保有を容認する姿勢が核拡散を進めてきました。他の核保有国も同様、核軍縮に後ろ向きの姿勢が昨年のNPT再検討会議を破綻させました。いま、私たちはあらためてすべての国の核開発、核実験、核保有に反対を表明します。

今回の核実験をはじめ7月のミサイル発射実験も含めた北朝鮮による挑発的な言動の背景には、米国による金融制裁などの北朝鮮に対する一方的な封じ込め政策や米軍再編による日米軍事同盟の強化、北朝鮮に向けられている米軍の核兵器の存在などがあることも明らかです。このような脅し合いがエスカレートしていくその先には罪のない多くの市民を犠牲にする戦争があることを私たちはしっかりと認識しなければなりません。
 現在、日本周辺ですすめられる米軍再編と日米軍事一体化は、北朝鮮を硬化させ、東北アジアにおける緊張関係を高める大きな原因となっています。石川県においては今月(10月)29日に国民保護計画に基づく初の実動訓練が行われます。さらに米軍再編による米軍戦闘機の小松基地への訓練移転も近く行われようとしています。実動訓練はまさに攻撃のための鎧づくりであり、訓練移転は日本海側の前線基地での日米の軍事的一体化に他なりません。このような動きの一つひとつが北朝鮮を刺激し、危機感を強め、東北アジアの緊張感を高めていることを私たちは認識しなければなりません。石川県平和運動センターは引き続き中止を求め、多くの市民とともに反対運動を展開していきます。

2006年10月10日

石川県平和運動センター

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