イラクにおける人質の解放に関する声明

イラクにおける人質の解放に関する声明

2004年4月16日

イラクで拘束された日本人3人の解放に関する声明

石川県平和運動センター

4月15日、イラクの武装勢力「サラヤ・アル・ムジャヒディン」によって拘束されていた、高遠さん、郡山さん、今井さんの日本人3人が解放されました。石川県平和運動センターは、事件発覚翌日には小泉首相、石破防衛庁長官あてに「自衛隊即時撤退を求める要請文」を送り、さらに街宣・ビラまき・署名活動を行ってきましたが、3人が無事に解放されたことを、ご家族のみなさんや、全国各地で支援行動・抗議行動に取り組まれたNGO・市民団体のみなさん、平和を愛するすべての人々と共に喜びたいと思います。

同時に新たに人質にされたと思われる2人の日本人も、直ちに解放されることを望みます。

3人が解放された直接の契機は、NGOと市民グループの努力です。この間、NGOと市民グループは、様々なルートを使い、イラク武装勢力にメッセージを送り続けました。こうした試みに中で、WORLD PEACE NOWには4月10日昼に、「一両日中の解放」というメッセージが届けられ、11日未明には同様の内容が報道を通して伝えられました。その後、安全上の理由などから解放が遅れていましたが、私たちはイラクからのメッセージを信頼し、石川の地でも解放を求める声をあげ続けてきました。

今回の日本人解放は、日本政府の外交交渉の結果ではありません。間違いなく、国際的な市民連帯の成果です。「自衛隊を撤退させる理由は見当たらない」と言い切り、日本人の生命よりも日米同盟と自衛隊派兵を優先させた小泉内閣を、石川県平和運動センターは強く批判します。今回の事件は、政府や軍隊は個人の生命を守れないことを明らかにしました。

小泉内閣の外交・防衛政策の誤りが今回の人質事件を招いたことは否定できない事実です。さらにその後の対応の誤りが事件の解決を遅らせてきました。政権の矛盾と無能さが一気に露呈したのが今回の人質事件でした。ところが、政府自らの責任を明らかにするべきであるにもかかわらず、政府や一部マスコミから被害者の「自己責任論」に言及する発言が聞かれます。このような責任転嫁は被害者やその家族に対して許されないだけでなく、今後のイラク復興のあり方や、さらには日本の進路を誤らせるものであり、断固撤回されるよう求めます。

武装勢力が解放を表明した声明には、「日本政府は、ブッシュとブレアの犯罪的振る舞いに従ったままで、自衛隊を撤退させようとしない」「米国は、ファジャールでも多くのイラク国民を殺し、破壊の限りを尽くした」「我々は外国の友好的な市民を殺すつもりはない」「日本の民衆に対して、政府に圧力をかけ、自衛隊をイラクから撤退させるようもとめる」とあります。

人質事件は絶対に容認できません。しかし、彼らのこの主張の中に込められた意味は、十分理解できます。石川県平和運動センターも、米英によるイラクへの侵略戦争と占領支配を糾弾しつづけ、日本の加担と自衛隊のイラク派兵に反対し、自衛隊の撤退を求めて、全力で取り組んできました。

イラクでは、米軍の不法な占領統治に反対しての抵抗運動が、収束するどころかイラク国民全体を巻き込みながら、全土に拡大しつつあります。米軍は本格的な軍事作戦を再開させ、報道によればファジャールでは600人以上のイラク人が殺され、1500人以上が負傷しているとされています。米軍はイラク人を何人、殺戮し傷つけ、どれだけの国民生活を破壊し、インフラや自然を破壊し続けるのでしょう。

こんな侵略戦争は絶対に許せません。その侵略戦争に加担し、イラクに自衛隊を派兵し続ける小泉内閣も絶対に許せません。

石川県平和運動センターは、引き続き米軍のイラク占領に反対すると同時に、憲法にも自衛隊法にもイラク特措法にも違反してつづけられている自衛隊派兵に反対し、撤退を求める取り組みを、全力で強化していくことをここに表明します。

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